Y2019M10Q25|2019年10月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
放射線の測定の用語に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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正解: 2
正答
(2)
この問題のポイント
GMプラトーではパルス波高が一次電離量に比例せず、時定数を長くすると指示変動が減る代わりに応答が遅くなります。気体のW値は気体種で変わりますが、同じ気体では放射線の種類やエネルギーへの依存が小さい量です。W値は気体中の1イオン対、ε値は半導体中の1電子・正孔対を作る平均エネルギーです。
解説
W値は気体中の1イオン対、ε値は半導体中の1電子・正孔対を作る平均エネルギーです。GMプラトーではパルス波高が一次電離量に比例せず、時定数を長くすると指示変動が減る代わりに応答が遅くなります。
選択肢の確認
1.放射線が気体中で1 個のイオン対を作るのに必要な平均エネルギーをW 値といい、放射線の種類やエネルギーにあまり依存せず、気体の種類に応じてほぼ一定の値をとる。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。W値は気体中にイオン対1個を作る平均エネルギーで、同じ気体なら放射線種やエネルギーへの依存が小さい量です。この定義は正しいです。
2.放射線が半導体中で1 個の電子・正孔対を作るのに必要なエネルギーをG 値といい、100eV 程度である。
× 判定:正答(誤っている記述)。半導体中の電子・正孔対1個当たりの平均生成エネルギーはε値で、Siでは約3.6 eVです。G値は100 eV当たりの化学収率なので名称も数値も誤りです。
3.放射線計測において、測定しようとする放射線以外の、自然又は人工線源からの放射線を、バックグラウンド放射線という。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。目的とする線源以外の自然放射線や周囲の人工線源からの寄与をバックグラウンド放射線と呼びます。測定では差し引き又は評価が必要です。
4.GM 計数管の特性曲線において、印加電圧の変動が計数率にほとんど影響を与えない平坦部をプラトーといい、プラトーが長く、傾斜が小さいほど、計数管としての性能は良い。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。GMプラトーは電圧を変えても計数率が比較的安定する範囲です。長く傾斜が小さいほど作動電圧の変動に強く、良好な特性です。
5.計測器がより高位の標準器又は基準器によって次々と校正され、国家標準につながる経路が確立されていることをトレーサビリティといい、放射線測定器の校正は、トレーサビリティが明確な基準測定器又は基準線源を用いて行う必要がある。
○ 判定:正答ではない(記述は正しい)。国家標準へ切れ目なく遡れる校正の連鎖がトレーサビリティです。基準測定器・線源の校正履歴を明確にして測定値を保証する説明は正しいです。
覚えるポイント
シリコンのε値は約3.6 eVです。フェーディングは受動型線量計の蓄積信号が読取り前に減衰する現象で、指針の統計的な揺らぎとは異なります。W値は気体中にイオン対1個を作る平均エネルギーで、主に気体の種類で決まり、同じ気体なら放射線エネルギーへの依存は小さい量です。