Y2020M04Q37|2020年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
放射線の生物学的効果に関する次のAから D の記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。 A LET(線エネルギー付与)とは、物質中を放射線が通過するとき、荷電粒子の飛跡に沿って単位長さ当たりに物質に与えられるエネルギーで、放射線の線質を表す指標である。 B 半致死線量は、被ばくした集団中の全個体が一定期間内に死亡する最小線量の50%に相当する線量である。 C OER(酸素増感比)とは、細胞内に酸素が存在しない状態と存在する状態とを比較し、同じ生物学的効果を与える線量の比で、酸素効果の大きさを表すものである。 D 倍加線量は、放射線による遺伝的影響を推定するための指標であり、その値が大きいほど遺伝的影響は起こりやすい。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
(2)
この問題のポイント
LETは線質、LD50は個体集団の死亡、OERは酸素による増感、倍加線量は遺伝的影響の推定に用いる指標です。それぞれの定義と、数値が大きいときに何を意味するかを分けて判定します。
解説
条件を満たす記述は「A,C」です。
A:正しい。LETは荷電粒子の飛跡に沿い、単位長さ当たりに物質へ付与されるエネルギーです。例えばkeV/μmで表し、値が高いほど飛跡周囲の電離密度が高い線質を示すため正しい記述です。
B:誤り。半致死線量LD50は、定めた期間内に個体集団の50%が死亡する線量です。全員死亡の最小線量の50%という定義ではありません。
C:正しい。OERは同じ生物学的効果を与える無酸素下の線量を酸素存在下の線量で割る比で、酸素による放射線効果の増強度合いを表すため正しい記述です。
D:誤り。倍加線量は自然発生の遺伝的変化と同数の変化を上乗せする線量です。値が大きいほど単位線量当たりの遺伝的リスクは小さいので、起こりやすいとする部分が誤りです。
選択肢の確認
1.A,B
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Bは組合せに入れられません。半致死線量LD50は、定めた期間内に個体集団の50%が死亡する線量です。全員死亡の最小線量の50%という定義ではありません。 Cは組合せに必要です。OERは同じ生物学的効果を与える無酸素下の線量を酸素存在下の線量で割る比で、酸素による放射線効果の増強度合いを表すため正しい記述です。
2.A,C
○ 判定:正答(記述は正しい)。Aは正しい記述です。LETは荷電粒子の飛跡に沿い、単位長さ当たりに物質へ付与されるエネルギーです。例えばkeV/μmで表し、値が高いほど飛跡周囲の電離密度が高い線質を示すため正しい記述です。 Cは正しい記述です。OERは同じ生物学的効果を与える無酸素下の線量を酸素存在下の線量で割る比で、酸素による放射線効果の増強度合いを表すため正しい記述です。
3.B,C
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Bは組合せに入れられません。半致死線量LD50は、定めた期間内に個体集団の50%が死亡する線量です。全員死亡の最小線量の50%という定義ではありません。 Aは組合せに必要です。LETは荷電粒子の飛跡に沿い、単位長さ当たりに物質へ付与されるエネルギーです。例えばkeV/μmで表し、値が高いほど飛跡周囲の電離密度が高い線質を示すため正しい記述です。
4.B,D
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Bは組合せに入れられません。半致死線量LD50は、定めた期間内に個体集団の50%が死亡する線量です。全員死亡の最小線量の50%という定義ではありません。 Dは組合せに入れられません。倍加線量は自然発生の遺伝的変化と同数の変化を上乗せする線量です。値が大きいほど単位線量当たりの遺伝的リスクは小さいので、起こりやすいとする部分が誤りです。 Aは組合せに必要です。LETは荷電粒子の飛跡に沿い、単位長さ当たりに物質へ付与されるエネルギーです。例えばkeV/μmで表し、値が高いほど飛跡周囲の電離密度が高い線質を示すため正しい記述です。 Cは組合せに必要です。OERは同じ生物学的効果を与える無酸素下の線量を酸素存在下の線量で割る比で、酸素による放射線効果の増強度合いを表すため正しい記述です。
5.C,D
× 判定:正答ではない(記述は誤り)。Dは組合せに入れられません。倍加線量は自然発生の遺伝的変化と同数の変化を上乗せする線量です。値が大きいほど単位線量当たりの遺伝的リスクは小さいので、起こりやすいとする部分が誤りです。 Aは組合せに必要です。LETは荷電粒子の飛跡に沿い、単位長さ当たりに物質へ付与されるエネルギーです。例えばkeV/μmで表し、値が高いほど飛跡周囲の電離密度が高い線質を示すため正しい記述です。
覚えるポイント
LETはkeV/μmなどで表す単位長さ当たりのエネルギー付与です。LD50は指定期間内の50%死亡線量、OERは同一効果の無酸素下線量を酸素存在下線量で割る比です。倍加線量は大きいほど単位線量当たりの遺伝的リスクが小さくなります。