32PM145|第32回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の文で示す病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。「56歳の男性。職場の人間関係のストレスから不眠となり、動悸も感じている。最近は物忘れや腰下肢の重だるさ、歯のぐらつきもある。舌質は紅、脈は数を認める。」
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、不眠、動悸、舌質紅、数脈から心火を考えます。
ストレスを背景に精神活動が乱れ、心に熱がこもると、不眠や動悸が起こりやすくなります。
解説
心は神を蔵し、精神活動や睡眠と関係します。心火が亢進すると、心神が乱れ、不眠、動悸、焦燥感、口内炎、舌尖紅、脈数などがみられます。
本症例では、職場のストレスから不眠となり、動悸があります。舌質は紅、脈は数であり、熱の所見が目立ちます。したがって、治療方針としては心火を除くことが最も適切です。
物忘れ、腰下肢の重だるさ、歯のぐらつきは腎の不足を連想させますが、選択肢の中では、現在の主症状である不眠・動悸・紅舌・数脈に対して心火を除く方針が最も合います。
まず見るポイント
不眠、動悸、紅舌、数脈がそろえば心の熱を考えます。治療方針では心火を除くことを優先します。
選択肢の確認
1.肝血を補う。
誤り。
肝血虚では目のかすみ、しびれ、筋けいれん、月経量少、舌淡などがみられます。本症例では紅舌・数脈という熱所見が目立つため、肝血を補う方針は最も適切ではありません。
2.腎陽を補う。
誤り。
腎陽虚では下肢や腰の冷え、夜明けの下痢、舌淡、脈沈遅などがみられます。本症例は紅舌・数脈で熱所見があり、腎陽虚とは合いません。
3.心火を除く。
正しい。
不眠、動悸、舌質紅、数脈は心火の所見として考えます。治療方針として心火を除くことが最も適切です。
4.肝陽を降ろす。
誤り。
肝陽上亢では頭痛、めまい、耳鳴り、怒りっぽさ、顔面紅潮などがみられます。本症例では心の症状である不眠と動悸が中心です。
覚えるポイント
- 心火では不眠、動悸、焦燥感、舌質紅、脈数が重要です。
- 心は神を蔵し、睡眠や精神活動に関係します。
- 心火を除く治療方針を選びます。
- 腎陽虚では冷え、肝血虚では血虚症状、肝陽上亢では頭痛やめまいを考えます。