34Q92|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
Gさんはパーキンソン病(Parkinson disease)と診断され、薬物療法が開始されている。立位で重心が傾き、歩行中に停止することや向きを変えることが困難である。 Gさんのこの症状を表現するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.姿勢保持障害
この問題のポイント
パーキンソン病の代表的な運動症状である、安静時振戦、筋固縮、無動・寡動、姿勢保持障害の特徴を区別します。「重心が傾く」「止まる・向きを変えるときに姿勢を立て直せない」が判断の手がかりです。
解説
姿勢保持障害は、身体の重心が前後左右へずれたときに、姿勢反射によってバランスを立て直すことが難しくなる症状です。立位や歩行が不安定になり、押されたとき、歩き始め・停止時、方向転換時などに転倒しやすくなります。
Gさんは、立位で重心が傾き、歩行中に止まったり向きを変えたりすることが困難です。これは、重心の移動に合わせて姿勢を調整できない姿勢保持障害を表しています。
パーキンソン病には、安静時振戦、筋固縮、無動・寡動、姿勢保持障害などの運動症状があります。安静時振戦は、力を抜いているときに現れやすい震えです。筋固縮は、他者が関節を他動的に動かしたときに抵抗を感じる状態です。無動・寡動は、動作の開始が難しい、動きが遅い、動作の大きさや回数が減るといった状態です。
また、薬物療法中は、薬が効いて動きやすいオン時と、効果が弱まって動きにくいオフ時がみられることがあります。どの時間帯に姿勢や歩行が不安定になるかを観察することも重要です。
ひっかけポイント
パーキンソン病の歩行障害をすべて「無動」や「寡動」と判断しないようにします。設問では、動作の少なさではなく、重心の傾きと停止・方向転換時のバランス調整の困難さが示されています。
介護実践でのポイント
方向転換は急がせず、小さな歩幅で弧を描くように行う、進行方向を言葉や床の目印で示す、動線の障害物を除くなどして転倒を予防します。介助方法は本人の症状に合わせて理学療法士等と共有し、薬の効き方や立ちくらみも観察します。
選択肢の確認
1.安静時振戦
誤りです。
安静時振戦は、手足などを動かさず力を抜いているときに現れやすい震えです。Gさんの重心の傾きや、停止・方向転換の困難さを表す症状ではありません。
2.筋固縮
誤りです。
筋固縮は、筋緊張が高まり、他者が関節を動かしたときに持続的または歯車状の抵抗を感じる状態です。設問に他動運動時の抵抗は示されていません。
3.無動
誤りです。
無動は、自発的な動作が乏しくなり、動作を開始しにくくなる状態です。Gさんは歩行中であり、中心となる問題は重心が傾いたときの姿勢調整です。
4.寡動
誤りです。
寡動は、動作の大きさや回数が減る状態で、小刻み歩行、表情の乏しさ、小字症などとして現れます。設問の停止・方向転換時のバランス障害を最も適切に表すものではありません。
5.姿勢保持障害
正しいです。
重心がずれたときに姿勢を立て直す反応が低下し、立位、停止、方向転換などでバランスを崩しやすくなる症状です。Gさんの状態に合致します。
覚えるポイント
- 安静時振戦は、安静時に現れやすい震えである。
- 筋固縮は、他動的に動かしたときの抵抗である。
- 無動・寡動は、動き始めにくい、遅い、小さい、少ない状態である。
- 姿勢保持障害は、重心がずれたときに立て直せず、転倒しやすい状態である。
- 方向転換や停止は転倒しやすい場面なので、急がせず環境と介助方法を整える。