35Q70|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
介護保険施設の駐車場で,下記のマークを付けた車の運転手が困った様子で手助けを求めていた。介護福祉職の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

解答・解説を見る
正解: 1
正答
1.手話や筆談を用いて話しかける。
この問題のポイント
図のマークは、蝶のような形をした「聴覚障害者標識」です。この標識を付けた車の運転者が助けを求めているため、相手に見える位置から近づき、手話、筆談、身振りなど、視覚を活用した方法で意思疎通を図ります。
この問題では、障害に関するマークと、手話・筆談、杖、拡大読書器、移動用リフト、点字器の対象を対応させます。
解説
聴覚障害者標識は、円の中に蝶のような図柄が描かれた自動車の標識です。聴覚に障害があり、運転免許に条件が付されている人が運転する自動車に表示されます。周囲の人は、聴覚による情報が伝わりにくい可能性を理解し、安全に意思疎通できる方法を選びます。
助けを求めている人へは、突然背後から触れたり、大声だけで呼びかけたりせず、相手の視野に入り、正面から目を合わせて話しかけます。口の動きが見えるように、明るい場所で、普通の大きさの声ではっきり話すことも有効です。必要に応じて、手話、筆談、スマートフォンの文字入力、身振り、指さしなどを使います。
聴覚障害の程度や普段使っているコミュニケーション方法は人によって異なります。すべての人が手話を使うとは限らないため、手話、筆談、口話などのうち、本人が使いやすい方法を確認します。
杖は歩行の安定や視覚障害者の移動などに用います。拡大読書器は文字や画像を拡大して見やすくする機器です。移動用リフトは、自力での移乗が難しい人を支える福祉用具です。携帯用点字器は、点字を書くための用具で、主に点字を使用する視覚障害者が用います。図の標識から、これらの支援が必要だとは判断できません。
図で見るポイント
円の中央に左右対称の蝶のような形が描かれています。これは聴覚障害者標識です。車いすを表すマーク、四つ葉の身体障害者標識、高齢運転者標識などと混同しないようにします。
介護実践でのポイント
障害名やマークだけで支援方法を決めつけず、本人に希望するコミュニケーション方法を確認します。相手の正面に立ち、表情と口元が見える環境を整えます。
選択肢の確認
1.手話や筆談を用いて話しかける。
正答。最も適切です。
図は聴覚障害者標識です。音声だけに頼らず、手話や筆談など視覚的な方法を用いると、意思疎通を図りやすくなります。
2.杖を用意する。
適切ではありません。
杖は、歩行が不安定な人の支持や、視覚障害者の移動などに用います。聴覚障害者標識から、杖が必要だとは判断できません。
3.拡大読書器を使用する。
適切ではありません。
拡大読書器は、弱視などで文字や画像が見えにくい人が利用する機器です。聴覚障害への基本的なコミュニケーション支援ではありません。
4.移動用リフトを用意する。
適切ではありません。
移動用リフトは、立ち上がりや移乗が難しい人を支える福祉用具です。この標識は移動機能の障害を示すものではありません。
5.携帯用点字器を用意する。
適切ではありません。
携帯用点字器は、点字を使用する視覚障害者が文字を書くための用具です。聴覚障害者との意思疎通には、まず手話や筆談などを用います。
覚えるポイント
蝶のようなマークは、聴覚障害者標識です。
聴覚障害のある人には、手話、筆談、身振り、文字表示などを活用します。
相手の正面に立ち、口元と表情が見えるようにします。
支援方法は一律に決めず、本人が使いやすい方法を確認します。