35Q86第35回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

左片麻痺{ひだりかたまひ}の利用者が、前開きの上着をベッド上で臥床{がしょう}したまま交換するときの介護の基本に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 3

正答

3.脱ぐときは、着ている上着の左上肢の肩口を広げておく。

この問題のポイント

片麻痺のある人の更衣では、「脱健着患」が基本です。脱ぐときは非麻痺側から、着るときは麻痺側から行います。

左片麻痺では、非麻痺側は右、麻痺側は左です。麻痺側の肩を引っ張らず、本人の残存機能を活用することも重要です。

解説

前開きの上着を脱ぐときは、まず前を開き、麻痺側である左肩の衣服をずらして肩口を広げます。衣服にゆとりをつくることで、先に脱ぐ非麻痺側の右上肢を袖から抜きやすくなり、麻痺側の肩への負担も減らせます。

その後、非麻痺側である右袖から脱ぎ、脱いだ部分を丸めて身体の下へ入れます。利用者には、可能な範囲で右上肢や右下肢を使ってもらい、右側臥位、すなわち非麻痺側を下にした姿勢にして、背中側の衣服を引き出します。最後に麻痺側の左袖を、肩や肘を支えながら無理なく脱ぎます。

新しい上着を着るときは逆に、麻痺側の左上肢から袖を通し、背中へ衣服を回して、最後に非麻痺側の右袖を通します。新しい上着は、最初に袖を通す麻痺側である左側へ準備します。

麻痺側の肩関節は亜脱臼や疼痛が生じやすいことがあります。腕だけを引っ張らず、肩、肘、手を支え、表情や痛みを確認しながら介助します。

ひっかけポイント
左右をそのまま覚えるのではなく、「脱ぐときは健側、着るときは患側」と整理します。この問題では、健側が右、患側が左です。

選択肢の確認

1.介護福祉職は利用者の左側に立つ。
適切ではありません。
左は麻痺側です。まず非麻痺側の右袖を脱ぎ、右側臥位をとってもらう流れを考えると、介護福祉職は右側から介助するのが基本です。

2.新しい上着は利用者の右側に置く。
適切ではありません。
着るときは麻痺側から袖を通すため、新しい上着は左側に準備します。衣服を本人が確認できるよう説明し、取り扱いやすい位置に置きます。

3.脱ぐときは、着ている上着の左上肢の肩口を広げておく。
正答。最も適切です。
麻痺側である左肩の衣服をずらして肩口を広げると、先に脱ぐ右上肢の袖にゆとりができ、麻痺側の肩を無理に引っ張らずに脱ぎやすくなります。

4.左側の袖を脱ぎ、脱いだ上着は丸めて、からだの下に入れる。
適切ではありません。
脱ぐときは非麻痺側である右袖から始めます。右袖を脱いだ部分を丸めて身体の下へ入れ、その後に体位を変えて衣服を引き出します。

5.利用者を左側臥位{ひだりそくがい}にし、脱いだ上着を引き出す。
適切ではありません。
左は麻痺側であり、左肩を下にすると圧迫や疼痛につながるおそれがあります。非麻痺側を下にした右側臥位で衣服を引き出します。

覚えるポイント

片麻痺の更衣は「脱健着患」です。

左片麻痺では、脱ぐ順序は右から左、着る順序は左から右です。

麻痺側の肩や腕を引っ張らず、関節を支え、本人ができる動作を生かします。

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