35Q87|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
利用者が食事中にむせ込んだときの介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.しっかりと咳{せき}を続けてもらう。
この問題のポイント
食事中のむせは、食物や唾液が気道へ入りかけたときに、咳で外へ出そうとする防御反応です。強い咳ができている間は、咳を続けてもらい、異物の排出を促します。
この問題では、むせた人に水分や追加の食物を飲み込ませるのではなく、まず気道を守る対応を選びます。
解説
利用者が食事中にむせ込んだら、食事介助を直ちに止めます。本人が声を出せて、呼吸ができ、しっかり咳をしている場合は、無理に背中をたたいたり飲み込ませたりせず、咳を続けてもらいます。咳によって気道内へ入りかけた食物を外へ出せる可能性があります。
姿勢は、上を向かせず、可能であれば軽く前かがみにして、口の中に残っている食物を吐き出しやすくします。呼吸状態、顔色、声が出るか、咳の強さ、喘鳴、意識を観察します。
お茶などの水分を追加すると、口腔内に残った食物とともに気道へ流れ込むおそれがあります。深呼吸や無理な嚥下を求めることも、異物をさらに奥へ送り込む危険があります。
咳が弱くなる、声が出ない、呼吸ができない、チョークサインを示す、顔色が悪化するなど、窒息が疑われる場合は、周囲へ応援と119番通報を依頼し、施設や事業所の手順に従って背部叩打法などの気道異物除去を行います。反応がなくなった場合は、心肺蘇生へ移ります。
介護実践でのポイント
むせが治まった後も、湿った声、咳の持続、痰、呼吸音、発熱などに注意します。むせが繰り返される場合は、食事姿勢、一口量、食形態、介助速度を見直し、医療職や言語聴覚士などへ報告します。
選択肢の確認
1.上を向いてもらう。
適切ではありません。
上を向くと気道が開きやすくなり、口の中の食物が気管へ入りやすくなります。軽く前かがみになり、咳や吐き出しをしやすくします。
2.お茶を飲んでもらう。
適切ではありません。
むせている最中に水分を追加すると、食物や水分をさらに誤嚥するおそれがあります。まず食事を止め、咳による排出を促します。
3.深呼吸をしてもらう。
適切ではありません。
深く吸い込む動作によって、口腔内や咽頭にある食物を気道の奥へ吸い込む危険があります。呼吸を無理に指示せず、咳を続けてもらいます。
4.口の中のものを飲み込んでもらう。
適切ではありません。
嚥下を続けさせると、残っている食物が気道へ入るおそれがあります。口の中に残った食物は、可能であれば吐き出してもらいます。
5.しっかりと咳{せき}を続けてもらう。
正答。最も適切です。
強い咳ができる間は、咳を続けてもらうことが異物排出に有効です。咳の強さ、呼吸、顔色、意識を注意深く観察します。
覚えるポイント
むせたら、まず食事を止め、軽く前かがみにして咳を促します。
水分を飲ませる、上を向かせる、無理に飲み込ませる対応は避けます。
咳ができない、声が出ない、呼吸ができない場合は窒息として緊急対応します。