35Q88第35回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

テーブルで食事の介護を行うときの留意点に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 1

正答

1.車いすで食事をするときは,足をフットサポートから下ろして床につける。

この問題のポイント

安全に食べるためには、足底、骨盤、体幹を安定させ、顎を軽く引いた姿勢を整えます。車いすで食事をするときは、足をフットサポートから下ろして床につけると、前方へ重心を移しやすくなります。

この問題では、誤嚥予防につながる姿勢、麻痺側上肢の保護、声かけの時機、食事環境を確認します。

解説

食事姿勢の基本は、深く腰掛け、骨盤を起こし、体幹を安定させ、足底を床へつけることです。テーブルは、前腕や肘を無理なく置ける高さに調整します。足底が床につくことで支持面が広がり、食事動作に必要な軽い前傾姿勢をとりやすくなります。

車いすのフットサポートに足を乗せたままでは、膝が高くなったり、足で床を踏ん張れなかったりして、食事時の姿勢が不安定になることがあります。床に足が届かない場合は、足台などを用いて安定させます。

片麻痺がある人の麻痺側上肢を膝の上へ放置すると、肩が下がり、腕が落下したり、肩関節に負担がかかったりするおそれがあります。テーブル上に置き、必要に応じてクッションやタオルで支えます。

嚥下時は、顎を上げるのではなく軽く引きます。食物を口に入れている間や飲み込んでいる最中に話しかけると、呼吸と嚥下の協調を乱し、誤嚥を招くことがあります。声かけは口に食物がないときに行い、食事中はテレビの大きな音などの刺激を減らします。

介護実践でのポイント
食前に、覚醒状態、呼吸、口腔内、義歯、姿勢、食形態を確認します。食事中は、一口量、ペース、咀嚼、嚥下、むせ、湿った声、口腔内の残留を観察します。

選択肢の確認

1.車いすで食事をするときは,足をフットサポートから下ろして床につける。
正答。最も適切です。
足底を床につけると骨盤と体幹が安定し、軽い前傾姿勢をとりやすくなります。床に届かない場合は、適切な高さの足台を使います。

2.片麻痺があるときは,患側の上肢を膝の上にのせる。
適切ではありません。
患側上肢を膝上に置くと、肩や腕が不安定になりやすく、落下や肩関節への負担につながります。テーブル上で前腕を支え、必要に応じてクッションを使用します。

3.スプーンを使うときは,下顎を上げた姿勢にして食べ物を口に入れる。
適切ではありません。
顎を上げると気道が開き、飲み込みにくくなります。顎を軽く引き、スプーンは下唇に沿って水平に近い方向から入れます。

4.利用者に声をかけるときは,食べ物を口に入れてから行う。
適切ではありません。
口に食物があるときに返事を求めると、会話のために呼吸しようとして誤嚥するおそれがあります。声かけは、口腔内に食物がないことを確認して行います。

5.食事をしているときは,大きな音でテレビをつけておく。
適切ではありません。
大きな音は注意をそらし、食事動作や嚥下への集中を妨げます。本人の希望に配慮しつつ、落ち着いて食べられる環境を整えます。

覚えるポイント

食事姿勢は、足底を床につけ、骨盤と体幹を安定させ、顎を軽く引きます。

麻痺側上肢は、膝上に放置せずテーブルやクッションで支えます。

口に食物があるときは話しかけすぎず、静かな環境で嚥下を観察します。

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