36Q32第36回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ発達と老化の理解

幼稚園児のJさん(6歳、男性)には、広汎性発達障害(pervasive developmental disorder)がある。砂場で砂だんごを作り、きれいに並べることが好きで、毎日、一人で砂だんごを作り続けている。 ある日、園児が帰宅した後に、担任が台風に備えて砂場に青いシートをかけておいた。翌朝、登園したJさんが、いつものように砂場に行くと、青いシートがかかっていた。Jさんはパニックになり、その場で泣き続け、なかなか落ち着くことができなかった。 担任は、Jさんにどのように対応すればよかったのか、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 2

正答

2.前日に、「あしたは、台風が来るので砂場は使えないよ」と伝える。

この問題のポイント

Jさんは、いつもと違う状況を予測できなかったため、強い不安と混乱を感じています。

予定の変更は事前に伝え、何が起こり、普段の活動がどう変わるのかを、本人が理解しやすい具体的な言葉で示すことが重要です。

解説

広汎性発達障害のある人には、予定外の変化や先の見通しが立たない状況で、強い不安を感じる人がいます。また、抽象的な表現、比喩、言外の意味を読み取ることが難しい場合があります。現在は、自閉スペクトラム症(ASD)という枠組みで説明されることが一般的です。

Jさんは、毎日、砂場で砂だんごを作って並べることを楽しみにしています。この活動は単なる「こだわり」として否定するのではなく、Jさんにとって楽しみや安心につながる大切な活動として理解する必要があります。

担任は前日のうちに、「台風が来る」という理由と、「砂場が使えない」という具体的な生活上の変化を結びつけて伝える必要がありました。これにより、Jさんは翌日の状況を予測し、気持ちを準備できます。

言葉だけでは理解しにくい場合は、青いシートをかけた砂場の写真、予定表、絵カードなどを用いる方法もあります。「砂場は使えません」と伝えるだけで終わらず、代わりに何をするか、いつ再び使えるかについて、本人が選べる形で示すことも有効です。

実際に強い混乱が生じたときは、叱ったり、何度も説明を重ねたりせず、安全を確保し、刺激の少ない場所で落ち着けるよう支援します。その後、本人が落ち着いてから、何が不安だったのか、次回はどのような伝え方がよいかを検討します。

ひっかけポイント
「台風が来るよ」だけでは、台風によって砂場が使えなくなることまで本人に推測させることになります。また、「おだんご屋さんは閉店です」は比喩的で、砂場が使えないという事実が明確に伝わりません。「事前に」「具体的に」が判断の軸です。

介護実践でのポイント
予定変更を伝えるときは、本人が好む情報の受け取り方を確認し、言葉、写真、予定表、実物などを使い分けます。本人の大切な活動を一方的に取り上げず、代替活動や再開時期を示し、可能な範囲で本人が選択できるようにします。

選択肢の確認

1.前日に、「あしたは、台風が来るよ」と伝える。
誤りです。
事前に伝えている点はよいものの、台風によって砂場が使えなくなることが具体的に示されていません。Jさん自身に状況の変化を推測させる伝え方です。

2.前日に、「あしたは、台風が来るので砂場は使えないよ」と伝える。
正しいです。
変更を事前に知らせ、台風が来ることと砂場が使えないことを具体的に結びつけています。Jさんが翌日の見通しをもち、気持ちを準備しやすい伝え方です。

3.前日に、「あしたは、おだんご屋さんは閉店です」と伝える。
誤りです。
事前に伝えていても、「おだんご屋さんは閉店です」は比喩的な表現です。砂場が使えないという具体的な状況が正確に伝わらない可能性があります。

4.その場で、「今日は、砂場は使えないよ」と伝える。
誤りです。
表現は具体的ですが、登園して砂場の変化を目にした後に初めて伝えているため、見通しをもつための準備時間がありません。前日に知らせることが適切です。

5.その場で、「今日は、おだんご屋さんは閉店です」と伝える。
誤りです。
変更を伝える時期が遅いうえ、「おだんご屋さんは閉店です」という比喩的な表現です。事前性と具体性の両方が不足しています。

覚えるポイント

予定変更は、できるだけ事前に伝えます。

変更の理由と、本人の生活に何が起こるかを具体的に示します。

比喩や曖昧な表現を避け、本人が理解しやすい方法を選びます。

写真、絵カード、予定表などの視覚的な情報も活用します。

本人の大切な活動を尊重し、代替活動や再開時期を本人と一緒に検討します。

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