36Q33第36回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ発達と老化の理解

生理的老化に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 5

正答

5.遺伝的にプログラムされた現象である。

この問題のポイント

生理的老化は、病気や生活環境だけによって起こるものではなく、生物に内在する仕組みに基づいて、加齢とともに進む変化です。

試験では、生理的老化の特徴を「普遍性」「内在性」「進行性」「有害性」の観点から整理します。

解説

生理的老化とは、病気による変化とは区別される、加齢に伴う自然な身体機能の変化です。一般に、生物に共通して起こる「普遍性」、外部環境だけが原因ではない「内在性」、時間とともに進む「進行性」、身体の予備力や適応力を低下させる「有害性」をもつと整理されます。

選択肢の中では、「遺伝的にプログラムされた現象である」が生理的老化の内在性を表しており、最も適切です。ここでいう「遺伝的にプログラムされた」とは、老化の程度や現れ方が遺伝だけですべて決まるという意味ではありません。遺伝子発現、細胞老化、代謝、免疫など、生体に備わった複数の仕組みが老化に関与するという意味です。

実際の老化の速さや現れ方には大きな個人差があり、生活習慣、運動、栄養、病気、薬物、社会環境などの影響も受けます。これらの外的要因や病気によって老化に似た機能低下が起こったり、老化が促進されたりするものは、二次的老化や病的老化として区別して考えます。

訓練やリハビリテーションによって、筋力や持久力、生活動作が改善することはあります。しかし、それは廃用や病気による低下を改善したり、残っている機能を高めたりするものであり、生理的老化そのものを完全に元へ戻すことではありません。

ひっかけポイント
「遺伝的にプログラムされた」は、環境や生活習慣が無関係という意味ではありません。また、「訓練で機能が改善する」ことと「生理的老化そのものが回復する」ことを混同しないようにします。

介護実践でのポイント
高齢者の変化を安易に「年齢のせい」と決めつけてはいけません。急な体重減少、歩行能力の低下、食欲低下、意識や認知機能の変化には、病気、脱水、低栄養、薬の影響、廃用などの改善可能な原因が隠れていることがあります。本人の普段の状態と比較し、必要に応じて医療職へ報告します。

選択肢の確認

1.環境によって起こる現象である。
誤りです。
環境や生活習慣は老化の進み方に影響しますが、生理的老化は環境だけによって起こる現象ではありません。生物に内在する仕組みに基づく変化です。

2.訓練によって回復できる現象である。
誤りです。
訓練によって筋力や生活機能が改善することはありますが、生理的老化そのものを元の状態へ戻すことはできません。廃用による機能低下の改善とは区別します。

3.個体の生命活動に有利にはたらく現象である。
誤りです。
生理的老化は、一般に身体機能、予備力、環境への適応力を低下させる方向にはたらきます。個体の生命活動に有利にはたらく現象とはいえません。

4.人間固有の現象である。
誤りです。
老化は人間だけに起こるものではなく、多くの生物にみられる普遍的な現象です。

5.遺伝的にプログラムされた現象である。
正しいです。
生理的老化は、生物に内在する遺伝的・生物学的な仕組みに基づいて進む現象です。ただし、老化の速度や現れ方には、環境や生活習慣などによる個人差があります。

覚えるポイント

生理的老化には、普遍性、内在性、進行性、有害性があります。

生理的老化は、生物に内在する遺伝的・生物学的な仕組みに基づきます。

生活習慣や環境は、老化の速さや現れ方に影響します。

訓練で改善できる廃用性の機能低下と、生理的老化そのものを区別します。

新しい症状や急激な変化を、安易に「年齢のせい」にしてはいけません。

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