37Q104第37回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

次のうち、キューブラー・ロス(Kubler-Ross, E.)が提唱した終末期にある人の死の受容過程のうち、「死は避けられないと知り、さまざまな喪失感を抱く段階」に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 4

正答

4.抑うつ

この問題のポイント

キューブラー・ロスが示した死の受容過程は、「否認」「怒り」「取り引き」「抑うつ」「受容」の5段階です。

死を避けられないものとして認識し、自分の身体機能、役割、人間関係、将来などを失うことへの深い悲しみを抱くのは、抑うつの段階です。

解説

キューブラー・ロスは、終末期にある人の心理過程を、否認、怒り、取り引き、抑うつ、受容の5段階で示しました。

抑うつの段階では、死が避けられないことを認識し、それまでの生活、身体機能、仕事や家庭での役割、大切な人との関係、思い描いていた将来などを失うことへの悲しみが強くなります。口数が少なくなる、涙を流す、一人で静かに過ごしたがるなどの様子がみられることもあります。

介護福祉職は、すぐに励ましたり気分転換を勧めたりするのではなく、本人が悲しみを表現できるようにそばにいて、言葉や沈黙を受け止めます。「元気を出してください」「まだ諦めてはいけません」といった言葉は、本人の現実や悲しみを否定することにつながる場合があります。

ただし、5段階はすべての人が同じ順番で経験するものではありません。段階が重なったり、前の段階に戻ったり、経験しない段階があったりします。本人を一つの段階に当てはめるためではなく、その時々の気持ちを理解する手がかりとして用います。

また、このモデルにおける「抑うつ」と、治療を要するうつ病を機械的に同一視してはいけません。強い絶望、自傷を示す言葉、著しい不眠や苦痛などがみられる場合は、医師や看護職などと連携して評価と支援につなげます。

ひっかけポイント
死を避ける方法を願ったり、条件と引き換えに延命を求めたりするのは「取り引き」です。死が避けられないと知り、喪失への深い悲しみを抱くのは「抑うつ」です。

介護実践でのポイント
5段階をチェックリストのように当てはめず、本人が今どのような不安や悲しみを抱いているかを丁寧に聴きます。話したくないときや、そばに静かにいてほしいときもあるため、本人の希望に合わせます。

選択肢の確認

1.否認

誤りです。 否認は、病気や死の事実を「何かの間違いだ」「自分が死ぬはずはない」などと受け入れられない段階です。死を避けられないと認識して喪失を悲しむ段階ではありません。

2.怒り

誤りです。 怒りは、「なぜ自分なのか」という思いから、家族、医療・介護職、健康な人などに怒りや不満を向けることがある段階です。怒りの奥に恐怖や悲しみがあることを理解して対応します。

3.取り引き

誤りです。 取り引きは、「この治療を受ければ助かるかもしれない」「あと少し生きられるなら何でもする」など、何らかの条件と引き換えに死を先延ばししようと願う段階です。

4.抑うつ

正しいです。 死が避けられないことを認識し、身体機能、役割、大切な人との関係、将来などを失うことへの深い悲しみを抱く段階です。

5.受容

誤りです。 受容は、死が近いことを比較的静かに受け止める段階です。幸福になることや死を望むことを意味せず、疲労が強くなり静かな時間を求めることもあります。

覚えるポイント

  • 死の受容過程は、否認、怒り、取り引き、抑うつ、受容の5段階である。
  • 死が避けられないと知り、喪失を悲しむ段階は抑うつである。
  • 各段階は必ず同じ順番で進むわけではない。
  • 本人の気持ちを段階に当てはめず、その時々の言葉と感情を受け止める。
  • 安易に励まさず、沈黙を含めて本人が望む関わり方を尊重する。

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