37Q105第37回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

Cさん(58歳、男性)は、アテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺{のうせいまひ}(cerebral palsy)がある。腕、脚、体幹の筋肉は不随意的にゆっくりと動くことが多く、手指を細かく動かすことは難しい。言葉をはっきり発音することが困難であるが、音の聞き取りはできる。 次のうち、Cさんが使用している情報・意思疎通支援用具として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 2

正答

2.携帯用会話補助装置

この問題のポイント

Cさんは、音を聞き取ることはできますが、アテトーゼ型脳性麻痺による不随意運動と構音の困難があります。

発声・発語に著しい障害がある人の意思を、入力した文字や記号から音声または文字へ変換して伝える携帯用会話補助装置が適しています。

解説

アテトーゼ型脳性麻痺では、本人の意思とは関係なく、手足や体幹がゆっくりねじれるように動く不随意運動がみられます。口、舌、喉などの運動を適切に調整することが難しく、言いたい内容はあっても言葉を明瞭に発音できない構音障害を伴うことがあります。

Cさんは音を聞き取ることができるため、聴覚情報を補う助聴器は必要性が低いと考えられます。一方、発音が不明瞭で、手指の細かな操作も難しいため、本人の意思を音声や文字に変えて相手へ伝えられる携帯用会話補助装置が適しています。

携帯用会話補助装置は、文字、単語、絵記号などを入力すると、合成音声や画面表示で内容を伝える装置です。発声・発語に著しい障害がある人の対面での会話や電話、外出時の意思表示などを支えます。

手指を細かく動かしにくい人には、キーの大きさや間隔、誤入力を防ぐキーガード、タッチ感度、外部スイッチ、走査入力などを調整します。介護福祉職が本人に代わって内容を決めるのではなく、本人が最も確実かつ疲れにくく操作できる方法を、言語聴覚士、作業療法士、支援機器の専門職などと検討します。

ひっかけポイント
「言葉をはっきり発音できない」という情報から、人工喉頭を選ばないことが重要です。人工喉頭は主に喉頭摘出などで音声を出しにくい人の発声を補います。Cさんの課題は、喉頭を失ったことではなく、運動調整の困難による構音障害です。

介護実践でのポイント
装置を用意するだけでなく、本人が使いやすい位置に設置し、入力を急かさず、発信が終わるまで待ちます。日頃の表情や身振りだけで内容を決めつけず、本人の入力した意思を確認します。

選択肢の確認

1.福祉電話

誤りです。 福祉電話は、聴覚障害や上肢機能障害などがある人でも電話を利用しやすくする特殊な電話機です。Cさんの対面での発語を音声や文字へ変換して補う用具としては、携帯用会話補助装置のほうが適しています。

2.携帯用会話補助装置

正しいです。 入力した文字、単語、記号などを音声または文字に変換し、発声・発語に著しい障害がある人の意思伝達を支援します。入力方法を調整すれば、手指の細かな操作が難しいCさんにも活用できます。

3.人工喉頭

誤りです。 人工喉頭は、主に喉頭摘出などによって声を出すための音源を失った人の発声を補う用具です。構音運動の調整が難しいCさんの状態に対する第一選択ではありません。

4.助聴器

誤りです。 助聴器は周囲の音や話し声を聞き取りやすくする用具です。Cさんは音を聞き取ることができ、主な困難は発語と手指操作であるため、適していません。

5.点字器

誤りです。 点字器は、主に視覚障害のある人が点字を書くための用具です。Cさんに視覚障害は示されておらず、発語の困難を補う用具ではありません。

覚えるポイント

  • 携帯用会話補助装置は、発声・発語に著しい障害がある人の意思を音声や文字へ変換する。
  • 人工喉頭は、主に喉頭摘出者などの発声を補う。
  • 助聴器は聴覚障害、点字器は視覚障害に対応する用具である。
  • 診断名だけでなく、聞く、理解する、話す、見る、入力する各機能を確認して用具を選ぶ。
  • 本人に合う入力方法を調整し、意思表示を急かさずに待つ。

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