37Q33第37回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ発達と老化の理解

Aさん(73歳、男性)は、会社の役員として勤めていたが、3年前に退職した。地域の老人クラブへの入会を勧められたが拒否している。毎年、敬老の日に記念品が配布されても、不快感を示して受け取らない。退職後も会社の状況を気にしていて、後輩とときどき連絡をとっている。Aさんは、身体が衰えることに強い不安を感じて、筋力トレーニングを毎日行っている。会社の後輩から、「いつも若々しいですね」と言われることに喜びを感じている。 ライチャード(Reichard, S.)による、引退後の男性の5つの適応タイプのうち、Aさんに相当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 4

正答

4.自己防衛(装甲)型

この問題のポイント

ライチャードによる、引退後の男性の老いへの適応タイプを、事例の行動や心理から判断する問題です。

Aさんは、高齢者として扱われることを嫌い、以前の会社とのつながりを保ち、身体の衰えへの不安から活動性と若々しさを維持しようとしています。この特徴は、自己防衛(装甲)型に当てはまります。

解説

ライチャードは、引退後の男性の適応を、円熟型、ロッキングチェアー型、自己防衛型、外罰型、内罰型の5つに分類しました。

自己防衛(装甲)型は、老化や無力感への不安に対して、活動性を保ち、規律的に生活し、若いころの自分を維持することで自分を守ろうとするタイプです。「装甲」という言葉は、老いへの不安から自分を防御する姿勢を表しています。

Aさんは、老人クラブへの入会を拒否し、敬老の日の記念品にも不快感を示しています。また、退職後も会社の状況を気にし、身体の衰えへの不安から毎日筋力トレーニングを行い、「若々しい」と言われることを喜んでいます。老いを自然に受け入れるというより、老いに抵抗して現役時代の自分を守ろうとする特徴が強いため、自己防衛(装甲)型が最も適切です。

外罰型は、老いや人生への不満を他者や社会のせいにして、怒りや敵意を外に向けるタイプです。内罰型は、過去や現在の不満を自分の責任と考え、自分を責めるタイプです。円熟型は、老いや役割の変化を受け入れ、現実的かつ建設的に生活します。ロッキングチェアー型は、責任から解放されたことを受け入れ、受け身で安楽な生活を好むタイプです。

ひっかけポイント
筋力トレーニングを行っていることだけで「健康的だから円熟型」と判断しません。老化への強い不安、高齢者扱いへの抵抗、若さへの固執がそろっていることが、自己防衛型を見分ける鍵です。

介護実践でのポイント
この分類は理論上の理解を助けるものであり、実際の高齢者を一つの型に固定して扱うものではありません。本人の自尊心を傷つけず、活動したい思いを尊重しながら、無理のない方法や新しい役割を一緒に考えます。

選択肢の確認

1.外罰(憤慨)型
誤り。
外罰型は、老化や過去の不満を他者や社会の責任と考え、怒りや敵意を外へ向けるタイプです。Aさんには、他者を非難している様子よりも、老いに抵抗して自分を守ろうとする姿勢がみられます。

2.内罰(自責)型
誤り。
内罰型は、自分の人生を失敗と捉えたり、現在の不満を自分の責任として強く責めたりするタイプです。Aさんには自責や自己否定を示す記述がありません。

3.円熟(成熟)型
誤り。
円熟型は、老いや引退後の役割変化を受け入れ、他者との関係を保ちながら建設的に生活するタイプです。Aさんは高齢者として扱われることを拒み、老化に強い不安を抱いているため、円熟型とは異なります。

4.自己防衛(装甲)型
正答。最も適切です。
老化への不安から、活動性や若さ、現役時代の自己像を維持して自分を守ろうとするタイプです。老人クラブや敬老の記念品を拒み、筋力トレーニングを続け、「若々しい」と言われることを喜ぶAさんの特徴に合います。

5.ロッキングチェアー(安楽椅子)型
誤り。
ロッキングチェアー型は、引退によって責任から解放されたことを受け入れ、他者に頼りながら受け身で安楽に過ごすタイプです。Aさんは活動性が高く、会社とのつながりや若さを保とうとしているため該当しません。

覚えるポイント

円熟型は、老いを受け入れ、建設的に適応するタイプです。

ロッキングチェアー型は、責任から解放され、受け身で安楽な生活を好むタイプです。

自己防衛型は、老化への不安に対して、活動性や若さを保つことで自分を守るタイプです。

外罰型は他者や社会を責め、内罰型は自分を責めます。

事例では、本人の行動だけでなく、その背景にある「老いの受け止め方」を読み取ります。

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