37Q38|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次のうち、老年症候群に直接関わる疾患として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.骨粗鬆症{こつそしょうしょう}(osteoporosis)
この問題のポイント
老年症候群と、一般的な生活習慣病や急性疾患との違いを見分ける問題です。
老年症候群とは、高齢者に多く、複数の原因が関係し、日常生活動作や生活の質を低下させやすい症状・状態のまとまりです。代表例には、転倒、骨折、フレイル、尿失禁、低栄養、認知機能低下などがあります。
解説
骨粗鬆症では、骨量の減少や骨質の劣化によって骨がもろくなります。そのため、立った高さからの転倒など、比較的軽い力でも脆弱性骨折を起こしやすくなります。
高齢者の転倒・骨折は、移動能力や日常生活動作を大きく低下させ、入院、活動量低下、廃用、要介護状態につながることがあります。骨粗鬆症は、この代表的な老年症候群である骨折に直接関わる疾患であるため、選択肢3が最も適切です。
高血圧症、糖尿病、脂質異常症は、高齢者にも多い慢性疾患であり、脳血管疾患や心血管疾患の危険因子になります。糖尿病による末梢神経障害などが転倒に影響する場合もありますが、この問題の選択肢では、老年症候群の転倒・骨折と最も直接的に結びつくのは骨粗鬆症です。
心筋梗塞は急性の心血管疾患です。発症後に身体機能が低下することはありますが、老年症候群に直接関わる疾患として最も代表的な選択肢ではありません。
ひっかけポイント
「高齢者に多い疾患」すべてが老年症候群そのものではありません。老年症候群では、転倒、骨折、失禁、低栄養など、生活機能への影響が大きい状態に注目します。
介護実践でのポイント
骨折予防では、活動を一律に制限するのではなく、歩行状態、筋力、視力、履物、薬剤、室内環境などを確認します。安全な運動、住環境の調整、栄養、骨粗鬆症の医療的管理を多職種で組み合わせます。
選択肢の確認
1.高血圧症(hypertension)
誤り。
高齢者に多い慢性疾患で、脳・心血管疾患の危険因子ですが、選択肢の中で老年症候群に最も直接関わる疾患ではありません。
2.糖尿病(diabetes mellitus)
誤り。
糖尿病は慢性疾患であり、合併症によって転倒などの危険を高める場合があります。ただし、代表的な老年症候群である骨折と最も直接的に関係するのは骨粗鬆症です。
3.骨粗鬆症{こつそしょうしょう}(osteoporosis)
正答。最も適切です。
骨がもろくなり、軽い転倒でも脆弱性骨折を起こしやすくなります。転倒・骨折は、高齢者の生活機能を低下させる代表的な老年症候群です。
4.心筋梗塞(myocardial infarction)
誤り。
心筋梗塞は冠動脈が詰まる急性の心血管疾患です。発症後に生活機能へ影響することはありますが、この問題で老年症候群に直接関わる疾患として最も適切ではありません。
5.脂質異常症(dyslipidemia)
誤り。
脂質異常症は動脈硬化性疾患の危険因子です。老年症候群の転倒・骨折と直接結びつく疾患ではありません。
覚えるポイント
老年症候群は、高齢者に多く、複数の原因が絡み、生活機能を低下させる状態です。
代表例は、転倒・骨折、フレイル、尿失禁、低栄養、認知機能低下などです。
骨粗鬆症は、脆弱性骨折を起こしやすくするため、転倒・骨折に直接関係します。
高齢者に多い慢性疾患と、老年症候群を同じものとして覚えないようにします。
転倒予防と骨折予防は、身体状態、環境、薬剤、栄養、運動を総合的に考えます。