37Q52第37回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ障害の理解

次の記述のうち、遂行機能障害の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.行動を計画して実行することが困難である。

この問題のポイント

遂行機能は、目標を決め、計画を立て、手順に沿って実行し、結果を確認して必要に応じて修正するための機能です。

個々の動作ができても、一連の行動を自分で組み立てて完了することが難しいのが遂行機能障害の特徴です。

解説

遂行機能とは、目的のある行動を進めるために必要な高次の認知機能です。「何をするか」という目標を定め、必要な手順を考え、優先順位をつけて実行し、途中の状況を確認しながら行動を修正する働きが含まれます。

遂行機能障害があると、身体機能や一つひとつの動作能力が保たれていても、自分から行動を始められない、段取りを決められない、優先順位をつけられない、途中で別のことを始める、同じ失敗を繰り返す、時間内に終えられないといった困難が生じます。

例えば、調理道具を扱うことはできても、献立を決め、材料をそろえ、調理の順番を考え、火加減や時間を確認して料理を完成させることが難しい場合があります。この状態を「怠けている」「やる気がない」と決めつけてはいけません。

支援では、本人が達成したい目標を確認し、一連の作業を小さな手順に分けます。手順表、写真、チェックリスト、スケジュール、タイマーなどを活用し、一度に多くの指示を出さず、一つずつ確認できるようにします。本人ができる部分まで代行せず、必要な場面だけ手がかりを示すことが大切です。

ひっかけポイント
「覚えられない」は記憶障害、「注意を続けられない」は注意障害、「計画して実行できない」は遂行機能障害です。高次脳機能障害の各症状を区別します。

介護実践でのポイント
失敗したという結果だけでなく、どの手順で止まったか、どのような手がかりがあれば進められたかを観察し、本人が成功しやすい環境と支援方法を整えます。

選択肢の確認

1.些細{ささい}なことですぐに興奮して怒鳴る。

誤りです。 感情を調整できず、興奮したり大声を出したりする状態は、主に社会的行動障害の情動コントロールの障害に該当します。

2.新しい知識を覚えることが困難である。

誤りです。 新しい出来事や知識を覚えにくいのは、主に記憶障害の特徴です。

3.ぼんやりして周囲に注意を向け続けることが困難である。

誤りです。 必要な対象へ注意を向けたり、その注意を持続したりすることが難しいのは、主に注意障害の特徴です。

4.行動を計画して実行することが困難である。

正しいです。 目標を設定し、計画や手順を立てて実行し、途中で確認・修正することが難しくなるのが遂行機能障害です。

5.言葉の表出や理解が困難である。

誤りです。 話す、聞いて理解する、読む、書くなどの言語機能が障害された状態は、主に失語症の特徴です。

覚えるポイント

  • 遂行機能は、目標設定、計画、手順化、実行、確認、修正に関わる。
  • 個々の動作ができても、一連の行動をまとめられないことがある。
  • 記憶障害、注意障害、社会的行動障害、失語症との違いを整理する。
  • 作業を小さな手順に分け、写真やチェックリストなどで見える化する。
  • 本人ができる条件と有効な手がかりを把握し、必要な部分だけを支援する。

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