38Q35|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、介護福祉職が行う利用者の生活支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.利用者の全体像をとらえて支援する。
この問題のポイント
生活支援を、できない動作の代行だけで捉えず、利用者の心身の状態、生活歴、価値観、役割、環境、できることを含む全体像から考えられるかを問う問題です。
介護の目的は、介護者が効率よく作業を終えることでも、利用者にすべてを一人で行わせることでもありません。本人が望む生活を続けられるよう、必要な支援を組み立てます。
解説
利用者の生活は、身体機能だけで決まりません。これまでの暮らし方、家族や地域との関係、本人が大切にしていること、住環境、福祉用具や周囲の支援などが互いに影響します。そのため、介護福祉職は一つの動作だけを見るのではなく、利用者の生活全体を捉えます。
たとえば、着替えに時間がかかる人に対し、すべてを介護福祉職が代行すれば短時間で終わるかもしれません。しかし、本人ができる部分まで奪うと、能力や意欲を活かせません。衣服の位置を整える、使いやすい用具を準備する、難しい部分だけを介助するなど、本人の力を活かす方法を考えます。
自立とは、何でも一人で行うことだけではありません。必要な支援を自分で選び、自分の生活について意思決定しながら暮らすことも自立です。介護福祉職は、同情によって一方的に守るのではなく、本人の思いを理解し、対等な関係で支えます。
介護実践でのポイント
「できないこと」だけでなく、「できること」「工夫すればできそうなこと」「支えになる人や環境」を確認します。支援後も本人の生活がどう変化したかを評価します。
選択肢の確認
1.利用者ができないことを代わりに行うことに重点を置く。
誤り。
できない部分を支えることは必要ですが、代行だけに重点を置くと、本人の残存機能、意欲、選択の機会を活かせません。できる部分を確認し、必要な範囲を支援します。
2.利用者の全体像をとらえて支援する。
正しい。
心身の状態、生活歴、価値観、活動、参加、環境などを総合的に捉え、本人が望む生活に向けて支援することが生活支援の基本です。
3.利用者がすべてを自分一人でできるようにする。
誤り。
自立は、支援を受けないことと同じではありません。本人が必要な支援を選び、自分らしい生活を主体的に営めることを目指します。
4.利用者の生活の効率化を図ることを目標にする。
誤り。
効率は支援方法を考える一要素にはなりますが、中心となる目標ではありません。本人の尊厳、安心、習慣、楽しみ、自己決定を優先します。
5.利用者に同情する気持ちで寄り添う。
誤り。
相手の苦しさを理解しようとする共感は重要ですが、同情を基盤にすると、本人を一方的に弱い存在と捉えるおそれがあります。本人の力と意思を尊重し、対等な専門的関係を築きます。
覚えるポイント
生活支援では、身体面だけでなく、心理面、社会面、生活歴、環境を含む全体像を捉えます。
自立支援は「全部一人で行うこと」ではなく、本人が選び、決め、できる力を活かして暮らすことを支える考え方です。
必要以上に代行せず、本人ができる部分を活かします。