38Q75|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次のうち、健康な状態と心身の機能が低下して介護等が必要な状態の中間を示す用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
健康な状態から要介護状態へ移行する途中にある、心身の予備能力が低下した状態を表す用語を選ぶ問題です。
フレイルは身体面だけの問題ではありません。心理面や社会面を含む多面的な状態であり、早く気づいて適切に対応すれば、健康な状態へ近づける可能性があります。
解説
フレイルとは、加齢などに伴って心身の予備能力が低下し、外からのストレスに対して弱くなった状態です。健康な状態と、日常生活に介護などの支援を必要とする状態との中間に位置づけられます。
フレイルには、筋力低下や歩行速度低下などの身体的側面だけでなく、認知機能の低下や抑うつなどの精神・心理的側面、閉じこもりや人との交流減少などの社会的側面があります。これらは互いに影響し合うため、食事や運動だけでなく、口腔機能、生活意欲、社会参加なども総合的に捉えます。
フレイルには可逆性があり、早期に状態を把握して、栄養、運動、口腔ケア、疾病管理、社会参加などへ取り組むことで、状態の改善や進行予防が期待できます。ただし、すべての人が必ず元の状態に戻るという意味ではなく、本人の状態に応じた支援が必要です。
サルコペニアは筋肉に焦点を当てた概念、ロコモティブシンドロームは運動器と移動機能に焦点を当てた概念です。どちらもフレイルの原因や身体的側面と関連しますが、健康と要介護状態の中間を総合的に表す用語そのものではありません。
介護実践でのポイント
体重減少、疲れやすさ、活動量低下、歩行の遅さ、筋力低下だけでなく、食欲、口腔状態、気分、人との交流も確認します。小さな変化を早期に見つけ、多職種と連携して介護予防につなげます。
選択肢の確認
1.エイジング(aging)
誤りです。 エイジングは加齢や年を重ねる過程を意味します。健康状態と要介護状態の中間にある特定の状態を表す用語ではありません。
2.サルコペニア(sarcopenia)
誤りです。 サルコペニアは、加齢などに伴う骨格筋量、筋力、身体機能の低下を表す概念です。身体的フレイルと深く関係しますが、心理面や社会面まで含む中間状態全体を指すものではありません。
3.ロコモティブシンドローム
誤りです。 骨、関節、筋肉、神経などの運動器の障害によって移動機能が低下し、要介護になる危険が高い状態です。運動器に焦点を当てた概念で、フレイルより範囲が限定されています。
4.ホメオスタシス(homeostasis)
誤りです。 ホメオスタシスは、体温や血糖値などの体内環境を一定の範囲に保とうとする恒常性のことです。健康から要介護へ移行する途中の状態を示す用語ではありません。
5.フレイル(frailty)
正しいです。 健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的、精神・心理的、社会的な脆弱性を含む状態です。
覚えるポイント
- フレイルは「健康と要介護の中間」。
- フレイルは身体・精神心理・社会の三つの側面から捉える。
- サルコペニアは筋肉、ロコモティブシンドロームは運動器、フレイルはより包括的な概念。
- フレイルは早期の対応によって改善や進行予防が期待できる。