38Q78第38回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ発達と老化の理解

次のうち、加齢に伴い階段を上ると息切れしやすくなる現象に関係する恒常性の機能として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

高齢者では、安静にしているときの身体機能が保たれていても、運動や病気などで通常以上の働きが必要になると、身体が十分に対応できないことがあります。

階段を上る動作では、平地を歩くときよりも、呼吸、循環、筋肉の働きを大きく高める必要があります。加齢によって、このような負荷に対応する余力が低下することを予備力の低下といいます。

解説

予備力とは、生命を維持するために平常時に使用している能力を超えて、運動、発熱、疾病、環境変化などの負荷が加わったときに発揮できる余力のことです。

若い人では、階段を上るときに心拍数、心拍出量、換気量、酸素摂取量などを十分に増加させる余力があります。しかし、加齢によって心臓、肺、血管、骨格筋などの最大機能が低下すると、安静時には大きな問題がなくても、階段昇降のような負荷の高い動作で必要な酸素を供給しにくくなり、息切れや動悸が現れやすくなります。

高齢者の恒常性維持機能を理解するときは、「負荷に対応する余力」「変化への順応」「有害なものから身体を守る働き」「障害を受けた状態から元に戻る働き」を区別します。本問は、平常時より多くの能力が必要になる階段昇降で症状が現れているため、正答は1です。

介護場面では、年齢だけを理由に息切れを正常な老化と決めつけてはいけません。急に現れた息切れ、胸痛、冷汗、顔色不良、強い動悸、安静にしても改善しない呼吸困難などは、心疾患や呼吸器疾患の可能性もあるため、活動を中止して医療職へ報告します。

選択肢の確認

1.予備力

正しいです。 平常時以上の負荷がかかったときに発揮される身体の余力です。加齢に伴って心肺機能などの余力が低下すると、階段昇降で息切れしやすくなります。

2.適応力

誤りです。 気温や生活環境などの変化に身体や心理状態を順応させる働きです。階段昇降で必要になる最大能力と平常時の能力との差を直接表すものではありません。

3.免疫力

誤りです。 細菌やウイルスなどを認識し、排除する免疫系の働きです。低下すると感染症にかかりやすくなりますが、階段で息切れする現象を直接説明するものではありません。

4.抵抗力

誤りです。 病原体やさまざまなストレスに対して身体を守り、耐える力を広く表す言葉です。本問で問われている、運動時に追加して発揮する心肺機能の余力とは異なります。

5.回復力

誤りです。 病気、疲労、けがなどによって低下した状態から、元の状態へ戻る働きです。加齢によって回復に時間がかかることと関係しますが、運動中の息切れの中心的な説明ではありません。

覚えるポイント

  • 予備力:負荷が加わったときに使える余力。
  • 適応力:環境や状況の変化に順応する力。
  • 免疫力・抵抗力:病原体や有害な刺激から身体を守る力。
  • 回復力:低下した状態から元に戻る力。

「安静時は問題ないが、階段や運動で息切れする」は、予備力の低下を示す代表例です。

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