38Q79|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、高齢者の疾患や症状の特徴として、適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
高齢者の疾患には、多疾患併存、慢性化、症状の非定型性、回復の遅れ、合併症や薬物有害事象の起こりやすさなどの特徴があります。
本問では、加齢に伴って一人の人が複数の慢性疾患を併せ持ちやすくなることを理解しているかが問われています。
解説
高齢者は、高血圧症、糖尿病、心疾患、脳血管疾患、骨関節疾患、認知症など、複数の疾患を同時に持つことが多くなります。この状態を多疾患併存といいます。複数の診療科から薬が処方されると、薬剤数が増え、相互作用、重複投与、副作用、服薬間違いなどの危険も高まります。
また、高齢者では身体の予備力、免疫機能、体温調節機能、感覚機能などが低下するため、若い人と同じような典型症状が現れるとは限りません。感染症があっても高熱が出ない、心筋梗塞でも強い胸痛を訴えない、急性疾患の最初の変化が食欲低下、転倒、活動性低下、せん妄として現れることもあります。
慢性疾患も多く、病気の悪化や入院をきっかけに、短期間でADLが低下することがあります。介護福祉職は、病名だけを見るのではなく、食事量、睡眠、排泄、歩行、会話、表情など、普段の状態との小さな違いを捉えて医療職へ報告することが重要です。
痛みについても個人差が大きく、加齢による感覚機能の変化、認知機能、疾患、薬剤などによって訴えが弱くなる場合があります。「強く訴えないから痛くない」と判断してはいけません。
選択肢の確認
1.典型的な症状を呈する。
誤りです。 高齢者では生体反応が弱くなり、症状がはっきり現れないことがあります。発熱や痛みが乏しいなど、非典型的な症状に注意が必要です。
2.生活が活発になる。
誤りです。 疾患によって倦怠感、食欲低下、筋力低下、活動量低下などが生じることがあります。病気や入院をきっかけに廃用症候群が進む危険にも注意します。
3.痛みに敏感になる。
誤りです。 高齢者全般が一律に痛みに敏感になるわけではありません。感覚機能や認知機能の変化によって痛みの知覚や表現が乏しくなる場合もあるため、言葉以外の反応も観察します。
4.複数の疾患を持ちやすい。
正しいです。 高齢者では複数の慢性疾患が併存しやすく、治療や服薬が複雑になります。疾患同士や薬剤同士の影響にも注意が必要です。
5.慢性的な疾患は少ない。
誤りです。 高血圧症、糖尿病、心疾患、骨関節疾患など、長期的な管理を必要とする疾患を持つ人が多くなります。急性疾患が慢性化したり、後遺症が残ったりすることもあります。
覚えるポイント
- 複数の疾患を併せ持ちやすい。
- 慢性疾患が多く、治癒や回復に時間がかかる。
- 症状が非典型的で、病気が見つかりにくい。
- 合併症や薬物有害事象が起こりやすい。
- 病気をきっかけにADLが低下しやすい。
介護福祉職は、「いつもと違う」という小さな変化を具体的に観察・記録し、多職種へつなぎます。