38Q93|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次のうち、後遺症によって片麻痺{かたまひ}や言語障害を伴うことがある疾患や病態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
片麻痺と言語障害が組み合わさって後遺症として現れる代表的な病態は、脳血管障害です。
脳の運動に関係する部位が損傷されると片麻痺が、言語に関係する部位が損傷されると失語症などが生じることがあります。障害は脳のどの部位が、どの程度損傷されたかによって異なります。
解説
脳血管障害は、脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、脳組織が損傷される疾患や病態の総称です。代表的なものに脳梗塞、脳出血、くも膜下出血があります。
脳の一側にある運動経路が損傷されると、一般に損傷した脳とは反対側の上下肢に麻痺が現れることがあり、これを片麻痺といいます。また、言語を理解したり言葉を組み立てたりする領域が損傷されると失語症が、発声や発音に必要な筋肉の運動を調整する経路が障害されると構音障害が生じることがあります。そのため、脳血管障害では片麻痺と言語障害が同時に後遺症として残る場合があります。
ただし、脳血管障害を発症した人すべてに同じ症状が生じるわけではありません。損傷部位や範囲によって、感覚障害、視野障害、嚥下障害、高次脳機能障害、認知機能の低下など、さまざまな後遺症がみられます。
介護福祉職は、麻痺側だけでなく非麻痺側の能力、失語症と構音障害の違い、本人が理解しやすい伝達方法などを個別に確認します。言葉が出にくいことを、理解できていないと決めつけてはいけません。短く分かりやすい言葉、実物、写真、文字、身振りなどを活用し、本人の返答を急かさずに待つことが大切です。
選択肢の確認
1.脳血管障害(cerebrovascular disorder)
正しいです。 脳の運動に関係する部位の損傷によって片麻痺が、言語に関係する部位の損傷によって失語症などが生じることがあります。両者が後遺症として併存することもあります。
2.糖尿病(diabetes mellitus)
誤りです。 糖尿病では、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などが代表的な合併症です。脳血管障害を起こす危険性を高めますが、糖尿病そのものの典型的な後遺症として片麻痺と言語障害が現れるわけではありません。
3.脊髄損傷(spinal cord injury)
誤りです。 脊髄損傷では、損傷した高さより下の運動障害や感覚障害、排泄機能障害などがみられます。頸髄損傷では四肢麻痺、胸髄や腰髄の損傷では対麻痺が中心となり、脳の言語中枢は通常損傷されないため、言語障害との組合せは典型的ではありません。
4.慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)
誤りです。 慢性閉塞性肺疾患では、労作時の息切れ、慢性的な咳や痰などの呼吸器症状が中心です。片麻痺や言語障害を典型的な後遺症とする疾患ではありません。
5.クローン病(Crohn disease)
誤りです。 クローン病は消化管に慢性の炎症を起こす疾患で、腹痛、下痢、発熱、体重減少、肛門部病変などがみられます。片麻痺や言語障害を典型的な後遺症とする疾患ではありません。
覚えるポイント
- 脳血管障害では、損傷部位によって片麻痺、失語症、構音障害、嚥下障害、高次脳機能障害などが残ることがある。
- 脊髄損傷は、損傷した高さより下の運動・感覚障害が中心。
- 糖尿病の代表的な合併症は、網膜症、腎症、神経障害。
- 脳血管障害のある人への支援では、麻痺の状態と言語機能を個別に評価し、意思を表しやすい方法を整える。