7PM136第7回 公認心理師国家試験 過去問

心理学基礎-11 動機づけ:自己決定・フロー・達成動機

[7PM136] 大学生 40 人が 20 人ずつAとBの 2 群に割り当てられ、両群とも実験室で極めて退屈な作業課題に 1 時間従事した後、別の参加者にその課題が面白かったと伝えるよう指示された。ただし、A群の実験参加に対する謝金は 300 円であり、B群の謝金は 6,000 円であった。作業後に、作業がどの程度楽しかったかについて評定を求めたところ、A群の楽しさの平均値はB群の楽しさの平均値よりも有意に高かった。 この現象を説明する理論として、最も適切なものを 1 つ選べ。

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正解: 5

正答

5

この問題のポイント

この問題では、退屈な課題を面白いと伝えた後、少ない報酬の群ほど課題を楽しかったと評価した現象を、認知的不協和理論で説明できるかが問われています。

キーワードは、「退屈な作業」「面白かったと伝える」「少ない謝金」「楽しかったと評価」です。

解説

認知的不協和理論は、L. Festinger によって提唱された理論です。

人は、自分の認知や行動の間に矛盾があると不快な緊張状態を感じ、それを低減しようとします。

本問では、参加者は極めて退屈な作業をしたにもかかわらず、別の参加者に「面白かった」と伝えるよう指示されています。これは、「退屈だった」という認知と、「面白かったと伝えた」という行動の間に不協和が生じる状況です。

B群は6,000円という十分な外的理由があるため、「お金をもらったからそう言った」と説明できます。一方、A群は300円という少ない謝金しかないため、自分の行動を正当化しにくくなります。そのため、「実は作業は少し楽しかったのかもしれない」と態度を変えることで不協和を低減します。

その結果、少ない謝金のA群の方が、作業を楽しかったと評価しやすくなります。

社会心理学のポイント
認知的不協和では、外的正当化が少ないほど、内的態度を変えて不協和を減らしやすくなります。

選択肢の確認

1.役割理論
判定:適切とはいえない。
役割理論は、社会的役割や役割期待が行動に影響することを説明する理論です。本問の少ない報酬による態度変化を説明する理論としては、認知的不協和理論が適切です。

2.SVR 理論
判定:適切とはいえない。
SVR理論は、対人魅力や配偶者選択における刺激、価値、役割の段階を説明する理論です。本問の態度変化とは関係が薄いです。

3.バランス理論
判定:適切とはいえない。
バランス理論は、人、他者、対象の間の認知的均衡を説明する理論です。認知的一貫性には関係しますが、本問の報酬の少なさによる態度変化の説明としては認知的不協和理論が最も適切です。

4.社会的比較理論
判定:適切とはいえない。
社会的比較理論は、人が自分の能力や意見を他者と比較して評価することを説明する理論です。本問では他者比較ではなく、自分の行動と認知の不一致が中心です。

5.認知的不協和理論
判定:最も適切。
退屈な課題を面白かったと伝える行動と、実際には退屈だったという認知の間に不協和が生じます。少ない謝金では外的正当化が不十分なため、作業を楽しかったと評価する方向に態度が変化します。

覚えるポイント

  • 認知的不協和理論は、矛盾する認知や行動による不快感を低減する過程を説明します。
  • 外的報酬が少ないほど、態度を変えて行動を正当化しやすくなります。
  • 退屈な課題を少額報酬で面白いと伝える実験は、認知的不協和の代表例です。

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