7PM140第7回 公認心理師国家試験 過去問

心理療法・心理支援-05 精神分析・対象関係・防衛

[7PM140] 25 歳の男性A、両親と同居中。Aは、高校生のときにうつ状態になり、高校中退後、何も手につかず、目標を失った生活を送っていた。1 年前から、公認心理師Bのカウンセリングを受け始めた。面接では、大学に進学できた同級生たちのことを、「恵まれた奴ら」であるとののしり、次第にBに対しても、「恵まれた人間であり、自分のことを見下している」と非難するようになった。ある日の面接で、Bは自身のスケジュールを勘違いし、次回の面接を、翌週に面接ができるにもかかわらず、翌々週に設定した。 AとBの関係の中で生じているBの勘違いを精神分析の概念を用いて検討する上で、最も適切なものを 1 つ選べ。

解答・解説を見る

正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、面接関係の中で公認心理師Bに生じた勘違いを、精神分析の概念でどう理解するかが問われています。

事例のポイントは、AがBを「恵まれた人間」「自分を見下している」と非難するようになり、その関係の中でBが次回面接を翌々週に設定してしまったことです。

解説

行動化とは、言葉で考えたり振り返ったりする代わりに、葛藤や感情が行動として表れることです。

本事例では、Aは同級生やBに対して「恵まれた人間」「自分を見下している」と非難しています。Bはその関係の中で、自分のスケジュールを勘違いし、本来は翌週に面接できるにもかかわらず、翌々週に設定しています。

このBの勘違いは、単なる事務的ミスとしてだけでなく、Aとの関係の中で生じている感情や葛藤が、面接間隔を空けるという行動に表れた可能性として検討できます。精神分析的には、Bの中に生じた反応や葛藤が十分に意識化されず、行動として出たもの、つまり行動化として理解するのが最も適切です。

公認心理師は、こうした場面で、自分のミスを正当化するのではなく、クライエントとの関係の中で自分に何が起きていたのかを振り返る必要があります。スーパービジョンや事例検討を通して、逆転移的反応や行動化の可能性を検討することが重要です。

公認心理師としての注意点
面接中の勘違いや予定変更などの行動も、治療関係の中で意味を持つことがあります。支援者自身の反応を振り返る反省的実践が必要です。

選択肢の確認

1.外在化
判定:適切とはいえない。
外在化は、問題をその人自身から切り離して捉えるナラティブ・セラピーの技法としてよく用いられます。また、内的なものを外に置いて理解するという文脈でも使われますが、本問のBの勘違いを説明する精神分析概念としては行動化が適切です。

2.行動化
判定:最も適切。
行動化は、葛藤や感情が言語化・意識化される代わりに、行動として表れることです。BがAとの関係の中で生じた反応を十分に振り返らないまま、面接を翌々週に設定してしまったことを検討する概念として適切です。

3.知性化
判定:適切とはいえない。
知性化は、感情を直接感じることを避け、抽象的・理屈的に考えることで不安や葛藤から距離を取る防衛機制です。Bの面接予定の勘違いという行動を説明する概念としては適切ではありません。

4.直面化
判定:適切とはいえない。
直面化は、クライエントが避けている矛盾や課題に気づけるよう、セラピストが伝える技法です。Bの勘違いを説明する概念ではありません。

5.同一化
判定:適切とはいえない。
同一化は、他者の特徴や態度を自分の中に取り入れる心理過程です。Aとの関係の中でBが面接を翌々週に設定してしまったことを説明する概念としては、行動化が最も適切です。

覚えるポイント

  • 行動化は、感情や葛藤が言葉ではなく行動として表れることです。
  • 面接者側のミスや違和感も、治療関係の中で検討する材料になります。
  • 支援者は、逆転移的反応や行動化をスーパービジョンで振り返ることが重要です。

関連問題

7PM1397PM141
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)