9AM4第9回 公認心理師国家試験 過去問

公認心理師の職責・倫理-07 ケースフォーミュレーション・生物心理社会モデル

G. Engel が提案した、従来の医学モデルの考え方を補完し、人間の健康や疾患を多面的に理解するための枠組みとして、最も適切なものを 1 つ選べ。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

この問題では、G. Engel が提案した生物心理社会モデルの理解が問われています。

従来の医学モデルを補完し、健康や疾患を生物学的要因だけでなく、心理的要因、社会的要因を含めて理解する枠組みです。

解説

生物心理社会モデルは、人間の健康や疾患を次の3つの側面から総合的に理解する考え方です。

  • 生物的側面:遺伝、脳機能、身体疾患、薬物、睡眠、栄養など
  • 心理的側面:認知、感情、性格、ストレス対処、トラウマ体験など
  • 社会的側面:家族、学校、職場、経済状況、文化、地域資源、制度など

G. Engel は、疾患を身体の異常だけで説明する従来の生物医学モデルを補完する枠組みとして、生物心理社会モデルを提案しました。

公認心理師の実践では、このモデルが非常に重要です。例えば、うつ症状がある人を支援する場合でも、神経生物学的要因、認知の特徴、対人関係、職場環境、家族関係、生活リズムなどを合わせて見立てます。

国家試験ではここを押さえる
G. Engel といえば生物心理社会モデルです。疾患や健康を「身体だけ」「心だけ」でなく、複数の要因の相互作用として理解します。

このモデルは、医療・保健、福祉、教育、産業、司法など、どの領域でも公認心理師のアセスメントと支援方針の基本になります。

選択肢の確認

1.成長モデル
判定:誤り。
成長モデルは、人間の成長や発達、自己実現などに焦点を当てる考え方として用いられることがあります。しかし、G. Engel が提案した健康や疾患を多面的に理解する枠組みではありません。

2.認知行動モデル
判定:誤り。
認知行動モデルは、認知、感情、行動、身体反応の関連に注目する心理療法や心理支援の枠組みです。重要なモデルですが、G. Engel が提案した医学モデルを補完する枠組みとしては、生物心理社会モデルが該当します。

3.多理論統合モデル
判定:誤り。
多理論統合モデルは、行動変容の段階などを説明する文脈で用いられるモデルとして知られます。本問の「G. Engel」「従来の医学モデルを補完」「健康や疾患を多面的に理解」という記述には合いません。

4.生物心理社会モデル
判定:最も適切。
G. Engel が提案した枠組みです。健康や疾患を、生物的要因、心理的要因、社会的要因の相互作用として理解します。公認心理師のアセスメントや多職種連携においても基本となる考え方です。

5.素因ストレスモデル
判定:誤り。
素因ストレスモデルは、個人がもつ脆弱性や素因にストレスが加わることで精神疾患などが生じるという考え方です。精神疾患の理解に有用ですが、G. Engel が提案した多面的な医学モデルの枠組みとしては生物心理社会モデルが適切です。

覚えるポイント

  • G. Engel とくれば、生物心理社会モデルです。
  • 生物心理社会モデルは、生物・心理・社会の3側面から健康や疾患を理解します。
  • 公認心理師の見立てでは、症状だけでなく生活環境、家族、学校、職場、制度も確認します。
  • 素因ストレスモデルは「脆弱性とストレスの相互作用」と整理します。

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