9AM5|第9回 公認心理師国家試験 過去問
最初に提示された数値や直観的に判断した値を基準として用い、その数値を踏まえて推定を行う方略に該当するものを 1 つ選べ。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、判断や意思決定におけるヒューリスティックの種類が問われています。
「最初に提示された数値」や「直観的に判断した値」を基準にして推定する、という記述が手がかりです。
解説
ヒューリスティックとは、複雑な判断を素早く行うための簡便な方略です。日常生活では役立つ一方で、判断の偏りであるバイアスを生むことがあります。
本問の説明は、係留と調整ヒューリスティックに当たります。
係留とは、最初に与えられた値や情報に判断が引っ張られることです。その後、自分なりに調整をして推定しますが、調整が不十分になりやすいため、最初の値の影響が残ります。
例えば、最初に「この商品の定価は10万円です」と示された後に割引価格を提示されると、その10万円が基準となり、実際の価値判断が影響を受けることがあります。
ひっかけポイント
ヒューリスティックの問題では、「基準に引っ張られる」「思い出しやすさ」「典型例らしさ」「知っているかどうか」の違いを押さえます。
公認心理師国家試験では、認知心理学の基礎として、判断や意思決定の偏りを理解しておくことが重要です。心理支援でも、クライエントや支援者自身の判断が特定の情報に引きずられていないかを意識することがあります。
選択肢の確認
1.再認ヒューリスティック
判定:誤り。
再認ヒューリスティックは、知っている、聞いたことがある、見覚えがあるといった再認のしやすさを判断に利用する方略です。本問のように最初の数値を基準にして推定する方略ではありません。
2.代表性ヒューリスティック
判定:誤り。
代表性ヒューリスティックは、ある対象が典型例やステレオタイプにどれほど似ているかをもとに判断する方略です。確率や基礎率を軽視しやすい点が特徴です。本問の数値を基準にした推定とは異なります。
3.係留と調整ヒューリスティック
判定:正しい。
最初に提示された数値や直観的に判断した値を係留点として、その値を基準に調整しながら推定する方略です。本問の説明に合致します。
4.利用可能性ヒューリスティック
判定:誤り。
利用可能性ヒューリスティックは、思い出しやすい情報、印象に残っている事例、最近経験した出来事をもとに判断する方略です。最初に提示された数値を基準にする方略ではありません。
5.シミュレーション・ヒューリスティック
判定:誤り。
シミュレーション・ヒューリスティックは、ある出来事が起こる可能性や結果を、頭の中でどれだけ容易に想像できるかによって判断する方略です。本問の係留点に基づく推定とは異なります。
覚えるポイント
- 係留と調整ヒューリスティックは、最初の値に判断が引っ張られる方略です。
- 利用可能性ヒューリスティックは、思い出しやすさに基づく判断です。
- 代表性ヒューリスティックは、典型例らしさに基づく判断です。
- 再認ヒューリスティックは、知っているかどうかを判断材料にします。