9AM72|第9回 公認心理師国家試験 過去問
6 歳の男児A、小学 1 年生。入学時から授業中に離席したり、周囲の児童に大きな声で話しかけたりすることが目立ち、授業の進行を妨げる状態が続いている。担任教師Bは、その都度注意をしていたが、Aは、にやりとするだけで改善が認められなかったため、スクールカウンセラーCに相談した。Cによる観察では、Aは注意の持続が難しく、授業中、突然離席することが多い一方で、座って課題に取り組む時間も確認された。また、Aは自分の関心がある活動には集中できるが、こだわりが強く、一部のおもちゃ以外、興味を持てないものにほとんど反応しない傾向も認められた。 CがBに提案する、Aへの支援法として、最も適切なものを 1 つ選べ。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、授業中に離席や大声での話しかけがみられる児童に対し、応用行動分析の視点から、望ましい行動を増やす支援を選ぶことが問われています。
A には離席行動がありますが、座って課題に取り組めている時間も確認されています。そのため、問題行動への注意だけでなく、望ましい行動が起きている瞬間に強化することが重要です。
解説
A は小学1年生で、授業中に離席したり、大きな声で周囲の児童に話しかけたりしています。担任教師 B はその都度注意していましたが、A はにやりとするだけで改善がありませんでした。
この状況では、教師の注意そのものが A にとって注目という強化になっている可能性があります。離席するたびに教師が反応すると、結果的に離席行動が維持されることがあります。
一方、C の観察では、A が座って課題に取り組む時間も確認されています。したがって、A が望ましい行動をしているときに、すぐに肯定的な声かけを行うことが有効です。
即時強化は、特に年齢が低い児童や注意の持続が難しい児童にとって重要です。望ましい行動と結果のつながりが分かりやすくなるためです。
教育領域での注意点
問題行動を減らすだけでなく、代わりに増やしたい行動を明確にして、その行動が起きたときにすぐ強化します。
アセスメントの視点
離席行動が、注目を得るためなのか、課題から逃れるためなのか、感覚刺激を得るためなのかを観察し、支援を調整します。
本問では、A が座って課題に取り組めているときに、その場で「いいね」と声をかける対応が最も適切です。
選択肢の確認
1.Aが離席した際には、集団のルールをAと確認する。
判定:誤り。
離席した際にその都度ルール確認をすると、A にとって教師から注目を得る機会になり、離席行動を強めてしまう可能性があります。ルール確認が必要な場合もありますが、本事例では望ましい行動をその場で強化する支援が優先されます。
2.Aが集中できなかった課題の内容を記録し、保護者に伝達する。
判定:誤り。
課題内容を記録し、保護者と情報共有することは補助的には有用です。しかし、それだけでは授業中の望ましい行動を増やす直接的な支援になりにくいです。まずは教室内で、座って取り組めている行動を即時に強化することが重要です。
3.Aの離席行動について記録を取り、授業後にAと一緒に行動を振り返る。
判定:誤り。
行動記録はアセスメントとして有用ですが、授業後の振り返りは即時性に欠けます。A は小学1年生で注意の持続が難しいため、行動直後に望ましい行動を強化する方が効果的です。
4.Aが座って課題に取り組めているとき、その場で「いいね」と声かけを行う。
判定:最も適切。
A が座って課題に取り組めている望ましい行動を、その場で肯定的に強化する対応です。問題行動に注目するのではなく、望ましい行動を増やす支援として最も適切です。
5.Aと授業中は離席しないよう約束し、離席しなかった日は下校時にスタンプを与える。
判定:誤り。
約束やスタンプは支援として使われることがありますが、下校時のスタンプでは強化のタイミングが遅く、A にとって「どの行動がよかったのか」が分かりにくい可能性があります。本事例では、その場での具体的な声かけがより適切です。
覚えるポイント
- 問題行動だけでなく、望ましい行動が出ている瞬間を見つけて強化します。
- 注意を向けること自体が、問題行動を強化する場合があります。
- 小学1年生や注意が続きにくい児童には、即時で具体的なフィードバックが有効です。
- 教室支援では、観察、機能分析、環境調整、肯定的強化を組み合わせます。