9AM77第9回 公認心理師国家試験 過去問

精神疾患とその治療-06 気分症:うつ病・双極症・気分変調・気分循環

35 歳の女性A、事務職。Aと上司Bは、健康管理室の公認心理師Cによる職場復帰後のフォローアップを受けている。Aは真面目で、Bの信任も厚く、新しい業務を任されていた。半年前から、時間内に仕事が終わらないなど業務が過重になり、不眠と抑うつ感が出現し、うつ病の診断で、 3 か月間休業した。症状の改善がみられたため、時間外労働を禁止する就業制限を行って職場復帰をした。Aによると、職場復帰後、 1 週間ほどは問題がなかったが、再び不眠が出現したという。  この段階におけるCの対応として、適切でないものを 1 つ選べ。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、うつ病で休業後に職場復帰した労働者に対するフォローアップ場面で、この段階では適切でない対応を選ぶことが求められています。

A は職場復帰後 1 週間ほどは問題がありませんでしたが、再び不眠が出現しています。ここで直ちに再休職の手続を勧めるのではなく、勤務状況、復職支援プラン、主治医の見解、職場負荷を確認することが必要です。

解説

A は、業務過重を背景に不眠と抑うつ感が出現し、うつ病の診断で3か月休業しました。症状改善後、時間外労働を禁止する就業制限を行って職場復帰しています。

職場復帰後、不眠が再び出現したことは重要なサインです。ただし、この段階で公認心理師 C がすぐに「再休職の手続をとるように」と勧めるのは早すぎます。

まず確認すべきことは、次のような点です。

  • A の勤務状況や業務量は復職支援プラン通りか。
  • 時間外労働禁止などの就業制限が守られているか。
  • A の業務遂行能力や疲労感はどの程度か。
  • 上司 B や同僚に過度な負担が生じていないか。
  • A は主治医から病状や見通しをどのように説明されているか。
  • 産業医や主治医と連携すべき状況か。

産業・労働領域での注意点
復職支援では、本人の症状だけでなく、業務負荷、就業制限、職場環境、上司の対応、同僚への影響、主治医・産業医との連携を含めて判断します。

公認心理師としての注意点
公認心理師が独断で休職や再休職を決めるのではありません。本人の状態を丁寧に確認し、必要に応じて主治医や産業医、人事労務と連携して支援方針を検討します。

本問は「適切でないもの」を選ぶ問題です。選択肢2は、情報収集や支援プランの確認を十分に行う前に再休職の手続きを勧めているため、この段階では適切ではありません。

選択肢の確認

1.Bに、Aの勤務状況や業務遂行能力について尋ねる。
判定:適切。
A の再不眠が、業務負荷や職場での遂行状況と関係している可能性があります。上司 B に勤務状況や業務遂行能力を確認することは、復職後フォローアップとして適切です。ただし、本人の同意や情報共有範囲への配慮が必要です。

2.Aに、主治医と相談して再休職の手続をとるように勧める。
判定:正答。適切でない。
再び不眠が出現していることは重要ですが、この段階で直ちに再休職の手続を勧めるのは早すぎます。まず、症状の程度、勤務状況、復職支援プランの実施状況、主治医の見解、就業上の配慮を確認する必要があります。再休職の判断は、本人、公認心理師だけで決めるものではなく、主治医や産業医、人事労務などとの連携が必要です。

3.Bに、職場の同僚に過度な負担がかかっていないかを尋ねる。
判定:適切。
復職支援では、A 本人だけでなく、職場全体の業務配分や同僚への負担も確認する必要があります。同僚に過度な負担がかかると、職場内の不満や支援体制の崩れにつながる可能性があるため、確認は適切です。

4.Bに、職場復帰支援プランが計画通りに実施されているかを確認する。
判定:適切。
A は時間外労働を禁止する就業制限で復帰しています。復職支援プランが守られているか、業務量が段階的に調整されているかを確認することは非常に重要です。再不眠の背景を把握するためにも適切な対応です。

5.Aに、病状や今後の見通しについて、主治医からどのように聞いているかを尋ねる。
判定:適切。
A が主治医から病状や今後の見通しをどのように説明されているかを確認することは、本人の理解や不安を把握するうえで適切です。必要に応じて、本人の同意を得たうえで主治医や産業医と連携することも検討します。

覚えるポイント

  • 復職後に不眠が再出現した場合、すぐに再休職と決めず、まず状況確認を行います。
  • 確認すべき点は、症状、勤務状況、業務負荷、復職支援プラン、就業制限、主治医の見解です。
  • 再休職の判断は、公認心理師が単独で進めるものではありません。
  • この問題では「適切でないもの」を選ぶため、選択肢2が正答です。

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