9AM76|第9回 公認心理師国家試験 過去問
28 歳の女性A、会社員。仕事に集中できなくなったと訴え、心療内科クリニックを受診した。Aは半年前に配置転換があり、多忙でストレスの多い部署に移った。その頃から、頭痛が次第に増えた。 2 か月前から業務中に注意が散漫になり、ミスが多くなっている。頭痛は週末に多い。右側頭部に強い拍動性の痛みがあり、吐き気を伴っている。市販の鎮痛薬を服用しているが、十分な効果は得られていない。最近は、頭痛の頻度が週 2 回から 3 回に増え、仕事を休むこともあった。Aは、「営業成績が下がるのでは」と不安を抱え、夜眠れないこともあるという。神経学的検査で異常は認められなかった。 Aの病態の理解として、最も適切なものを 1 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、頭痛の性質から片頭痛を見分けることが問われています。
A の頭痛は、右側頭部の強い拍動性の痛みで、吐き気を伴い、仕事を休むほどです。これは片頭痛の特徴に合います。
解説
片頭痛は、発作性に生じる中等度から重度の頭痛で、拍動性の痛み、片側性、悪心や嘔吐、光や音への過敏、日常動作による悪化などがみられることがあります。
本事例では、A は配置転換後、多忙でストレスの多い部署に移り、その頃から頭痛が増えています。頭痛は週末に多く、右側頭部に強い拍動性の痛みがあり、吐き気を伴っています。頻度も週2回から3回に増え、仕事を休むこともあります。
神経学的検査で異常は認められていないため、脳腫瘍や神経学的疾患を強く示す情報はありません。ストレス、不眠、疲労、生活リズムの乱れは片頭痛の誘因になることがあります。
事例問題で見るポイント
頭痛では、痛みの部位、性質、持続時間、頻度、吐き気、光や音への過敏、神経症状、生活への支障、薬剤使用状況を確認します。
医療・保健領域での注意点
頭痛が増悪している場合や市販薬で十分な効果がない場合、公認心理師は心理的ストレスだけに還元せず、医師による評価と治療方針の確認を重視します。
A には不安や不眠、仕事のミスもありますが、中心は片側の拍動性頭痛と吐き気を伴う反復性頭痛です。そのため、片頭痛が最も適切です。
選択肢の確認
1.うつ病
判定:誤り。
うつ病では、抑うつ気分、興味や喜びの低下、睡眠や食欲の変化、疲労感、集中困難などがみられます。A には集中困難や不眠がありますが、中心症状は右側頭部の拍動性頭痛と吐き気であり、片頭痛が最も適切です。
2.片頭痛
判定:最も適切。
片頭痛では、片側性、拍動性、中等度から重度の頭痛、吐き気、日常生活への支障などがみられます。A の右側頭部の強い拍動性の痛み、吐き気、反復する頭痛、仕事を休むほどの支障は片頭痛に合致します。
3.群発頭痛
判定:誤り。
群発頭痛は、片側の眼窩部や側頭部に激しい痛みが一定期間集中的に起こり、流涙、結膜充血、鼻閉、鼻汁、眼瞼下垂などの自律神経症状を伴うことが多い頭痛です。A にはそのような眼周囲の激痛や自律神経症状は示されていません。
4.緊張型頭痛
判定:誤り。
緊張型頭痛は、締め付けられるような両側性の痛みが比較的多く、片頭痛ほど強い拍動性や吐き気を伴わないことが多いです。A の右側頭部の強い拍動性の痛みと吐き気からは、片頭痛がより適切です。
5.全般不安症
判定:誤り。
全般不安症では、さまざまな出来事への過剰な不安や心配が持続します。A は営業成績への不安や不眠を訴えていますが、主訴は拍動性頭痛と吐き気を伴う反復性頭痛です。病態理解としては片頭痛が最も適切です。
覚えるポイント
- 片頭痛は、片側性、拍動性、吐き気、生活への支障が手がかりです。
- 緊張型頭痛は、締め付けられるような両側性の痛みが典型です。
- 群発頭痛は、眼周囲の激痛と自律神経症状が特徴です。
- 心理的ストレスは頭痛を悪化させることがありますが、身体疾患としての評価も重要です。