9PM143第9回 公認心理師国家試験 過去問

神経・生理心理学-07 脳波・てんかん・意識障害

20 歳の男性A、大学生。日中の強い眠気を訴えて大学の保健センターを訪れた。Aによると、 1 年ほど前から日中の強い眠気に悩まされており、講義や食事の最中に突然眠ってしまうことが多い。夜間は 8 時間ほど睡眠をとっているにもかかわらず、大学の友人からは「夜寝ていないのでは」と言われたことがある。また、入眠時に夢のような映像が見えることや、目覚めた直後に身体が動かないことがある。最近、友人とふざけて笑ったときに身体の力が抜けてしゃがみ込み、意識はあるが身体が動かない状態になった。眠気のために勉強することが難しく、試験の成績も低下しているという。  Aの病態の理解として、最も適切なものを 1 つ選べ。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

この事例では、ナルコレプシーの特徴を読み取ることが重要です。

Aには、夜間に8時間ほど眠っているにもかかわらず日中に強い眠気がある、講義や食事中に突然眠ってしまう、入眠時に夢のような映像が見える、目覚めた直後に身体が動かない、笑ったときに身体の力が抜けるという症状があります。これは、ナルコレプシーに特徴的な症状の組合せです。

解説

ナルコレプシーは、日中の耐えがたい眠気や睡眠発作を主症状とする睡眠障害です。夜間睡眠時間が不足していないにもかかわらず、日中に突然眠ってしまうことがあります。

典型的には、次のような症状がみられます。

  • 日中の強い眠気
  • 睡眠発作
  • 情動脱力発作
  • 入眠時幻覚
  • 睡眠麻痺

この事例では、講義や食事中に突然眠ることが多く、学業に支障が出ています。また、入眠時に夢のような映像が見えることは入眠時幻覚、目覚めた直後に身体が動かないことは睡眠麻痺として理解できます。さらに、友人と笑ったときに身体の力が抜け、意識はあるが身体が動かない状態になったことは、情動脱力発作に合っています。

ひっかけポイント
ナルコレプシーでは、日中の眠気だけでなく、情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺をセットで押さえます。笑ったときに力が抜けるという記述は重要な手がかりです。

選択肢の確認

1.てんかん
判定:適切とはいえない。
てんかんでは、脳の神経細胞の過剰な電気的活動により発作が生じます。意識消失、けいれん、欠神発作などが問題になります。本事例では、十分な睡眠にもかかわらず日中に眠ること、入眠時幻覚、睡眠麻痺、情動脱力発作がそろっており、ナルコレプシーが最も適切です。

2.睡眠時遊行症
判定:適切とはいえない。
睡眠時遊行症は、睡眠中に起き上がって歩き回るなどの行動がみられる睡眠障害です。本事例では、睡眠中の歩行ではなく、日中の強い眠気や情動脱力発作が中心です。

3.反復性過眠症
判定:適切とはいえない。
反復性過眠症では、過眠のエピソードが反復して出現し、その期間に長時間眠ることが特徴です。本事例では、1年ほど続く日中の眠気、入眠時幻覚、睡眠麻痺、情動脱力発作があり、ナルコレプシーがより適切です。

4.ナルコレプシー
判定:最も適切。
ナルコレプシーは、日中の強い眠気や睡眠発作に加え、情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺を伴うことがあります。Aの症状はこれらに合致しており、最も適切です。

5.レム睡眠行動障害
判定:適切とはいえない。
レム睡眠行動障害では、レム睡眠中に夢の内容に合わせて身体を動かす行動がみられます。高齢者に多く、夢を演じるような行動が特徴です。本事例では、日中の睡眠発作や情動脱力発作が中心です。

覚えるポイント

  • ナルコレプシーは、日中の強い眠気と睡眠発作が中心です。
  • 情動脱力発作は、笑う、驚くなどの感情をきっかけに筋緊張が低下する症状です。
  • 入眠時幻覚と睡眠麻痺もナルコレプシーの重要な手がかりです。
  • 睡眠時遊行症は、睡眠中に歩き回る症状です。
  • レム睡眠行動障害は、夢の内容に合わせて身体を動かす症状です。

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