35PM4|第35回 臨床工学技士国家試験 過去問

過去問題(分野未登録)第35回

ある薬物の細胞膜を介した移動が Fick の拡散法則に従うとき、最も影響の小さいパラメータはどれか。

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正解: 4

正答

4

公式正答は 4 です。正答内容は 膜を介した浸透圧差 です。

この問題のポイント

Fickの拡散則では、薬物の移動速度は膜面積、膜透過性、薬物濃度差に比例し、膜厚に反比例します。浸透圧差は純粋な拡散式の直接パラメータではないため、本問では影響が最も小さいと判定します。

解説

細胞膜を介する受動拡散の移動速度は、単純化すると

​(\mathrm{rate}=D,A,(C_1-C_2)/L=P,A,(C_1-C_2))

​と表せます。(D) は拡散係数、(A) は膜面積、(L) は膜厚、(C_1-C_2) は薬物濃度差、(P=D/L) などで表す膜透過係数です。したがって膜厚、膜面積、膜透過性、薬物濃度差はいずれもFick式へ直接入ります。

浸透圧差は水の移動を駆動し、条件によっては溶媒流に伴う対流輸送、膜張力、濃度や活量の変化を介して薬物移動へ間接的に影響し得ます。しかし、ここで仮定するFick型の単純拡散における直接パラメータではありません。「薬物移動に一切影響しない」のではなく、選択肢の中でFick式との直接性が最も小さいという判定です。

選択肢の確認

選択肢1:膜厚

正答ではありません。 拡散距離である膜厚 (L) は移動速度の分母へ入り、厚いほど拡散速度が低下します。Fick式へ直接影響するパラメータです。

選択肢2:膜面積

正答ではありません。 膜面積 (A) が大きいほど同時に拡散できる領域が増え、総移動量は増加します。移動速度へ直接比例します。

選択肢3:薬剤の膜透過性

正答ではありません。 膜透過性 (P) は薬物の脂溶性、膜内拡散、分配などを反映し、受動拡散速度へ直接比例します。

選択肢4:膜を介した浸透圧差

正答です。 浸透圧差は水移動や対流輸送へ関係し得ますが、問題で仮定したFickの単純拡散式には直接パラメータとして入りません。他の4項目より直接的影響が小さいと判定します。

選択肢5:膜を介した薬剤の濃度差

正答ではありません。 膜両側の薬物濃度差 (C_1-C_2) が拡散の駆動力です。濃度差が大きいほど正味の薬物移動速度が増します。

覚えるポイント

  • Fick型拡散は面積・透過性・濃度差に比例し、膜厚に反比例する。
  • 濃度差は薬物拡散の駆動力、浸透圧差は主に水移動の駆動力。
  • 浸透圧が間接影響を持ち得ても、単純なFick式の直接パラメータではない。

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