35PM51|第35回 臨床工学技士国家試験 過去問
正しいのはどれか。 a.理想ダイオードの順方向抵抗は無限大である。 b.バイポーラトランジスタは電圧制御素子である。 c.ピエゾ効果が大きい半導体は磁気センサに利用される。 d.FET の n チャネルの多数キャリアは電子である。 e.CMOS 回路はバイポーラトランジスタ回路よりも消費電力が少ない。
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正解: 5
正答
5
公式正答は 5 です。正答内容は d、e です。
この問題のポイント
半導体素子について、抵抗の理想化、制御量、多数キャリア、センサ効果、消費電力を区別します。とくに半導体のピエゾ抵抗効果と圧電効果、Hall効果、磁気抵抗効果を混同しないことが重要です。
解説
理想ダイオードは順方向で短絡、逆方向で開放とみなすため、順方向抵抗は0、逆方向抵抗は無限大です。BJTは小さなベース電流でコレクタ電流を制御する電流制御素子であり、FETはゲート電圧でドレイン電流を制御する電圧制御素子です。
理想ダイオードモデルを数値で表せば R_forward=0 Ω、R_reverse=∞ Ωです。したがって「順方向抵抗が∞」というaは0と∞を逆にしています。
半導体のピエゾ抵抗効果は、応力やひずみによって電気抵抗率が変化する現象で、圧力センサやひずみゲージに利用されます。圧力で電荷が生じる圧電効果とは原理が異なり、磁界検出に用いるHall効果や磁気抵抗効果とも区別します。n-チャネル FETでは電子が多数キャリアです。CMOSは相補形MOSFETを用い、定常論理状態で電源から接地への直流経路が小さいため、一般にBJT論理回路より静的消費電力を抑えられます。ただしスイッチング時の容量充放電電流や漏れ電流は存在します。
各肢の最終判定は、a:誤り、b:誤り、c:誤り、d:正しい、e:正しいです。
選択肢の確認
選択肢1:a、b
正答ではありません。 aは理想ダイオードの順方向抵抗を逆にしており、順方向は0、逆方向が無限大です。bもBJTはベース電流でコレクタ電流を制御する電流制御素子なので誤りです。
選択肢2:a、e
正答ではありません。 eはCMOSの静的消費電力が一般にBJT回路より小さいという比較で正しい一方、aは理想ダイオードの順方向抵抗を無限大としているため、この組合せは成立しません。
選択肢3:b、c
正答ではありません。 bはBJTを電圧制御素子としている点が誤りです。cもピエゾ抵抗効果は圧力・ひずみセンサに利用され、磁気センサの代表原理はHall効果や磁気抵抗効果なので誤りです。
選択肢4:c、d
正答ではありません。 dはn-チャネル FETの多数キャリアが電子であるため正しい記述です。しかしcはピエゾ抵抗効果の用途を磁気センサとしており、圧力・ひずみ検出との対応を取り違えています。
選択肢5:d、e
正答です。 dはn-チャネルの多数キャリアが電子であることを、eは相補形MOSFETを用いるCMOSの静的消費電力が一般にBJT回路より小さいことを正しく述べています。
覚えるポイント
- 理想ダイオードは順方向抵抗0、逆方向抵抗無限大として扱う。
- BJTは電流制御、FETは電圧制御、n-チャネルの多数キャリアは電子。
- ピエゾ抵抗効果は圧力・ひずみ検出、Hall効果や磁気抵抗効果は磁界検出に対応する。
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