37AM88|第37回 臨床工学技士国家試験 過去問
生体での熱の伝わり方について正しいのはどれか。 a.皮下組織の熱移動は主に熱伝導による。 b.体表面からの熱の放射は近赤外光による。 c.体表面での空気の対流は熱の放散を促す。 d.体内の熱輸送は主に血流による。 e.体表面からの熱の放射エネルギーは絶対温度に比例する。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、生体内外での熱移動のしくみが問われています。
熱の伝わり方は、主に次のように整理します。
- 熱伝導:物質内を熱が伝わる。
- 対流:流体の移動で熱が運ばれる。
- 放射:電磁波として熱が放出される。
- 血流による熱輸送:体内で血液が熱を運ぶ。
正しい小項目は、cとdです。
解説
生体での熱移動は、体内と体表面で分けて考えると整理しやすくなります。
体内では、血液循環が熱の輸送に大きく関与します。深部で生じた熱は血流によって運ばれ、体表近くへ移動します。そのため、体内の熱輸送は主に血流による、という記述は正しいです。
体表面では、空気の流れによる対流が熱放散を促します。風があると涼しく感じるのは、体表面付近の暖められた空気が移動し、新しい空気と入れ替わるためです。
一方、体表面からの熱放射は、主に赤外線として行われます。近赤外光というより、熱放射としては赤外線、特に遠赤外領域を中心に考えます。
また、放射エネルギーは絶対温度に単純比例するのではなく、ステファン・ボルツマンの法則により、絶対温度の4乗に比例します。
皮下組織でも熱伝導は起こりますが、生体の熱移動を扱うこの設問では、体内の主要な熱輸送として血流の役割を重視します。皮下組織の熱移動を「主に熱伝導」と断定する小項目aは、正しい組合せには含まれません。
ひっかけポイント
「熱が伝わる」と聞くと熱伝導だけを考えがちですが、生体では血流による熱輸送が非常に重要です。また、放射エネルギーは絶対温度に比例ではなく、絶対温度の4乗に比例します。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1はa、bの組合せです。bは誤りです。体表面からの熱放射は近赤外光ではなく、主に赤外線として考えます。aもこの設問の正しい組合せには含まれません。
2.誤り。
選択肢2はa、eの組合せです。eが誤りです。体表面からの熱放射エネルギーは絶対温度に単純比例するのではなく、絶対温度の4乗に比例します。
3.誤り。
選択肢3はb、cの組合せです。cは正しいですが、bが誤りです。体表面からの熱放射を近赤外光とするのは不適切です。
4.正しい。
選択肢4はc、dの組合せです。体表面での空気の対流は熱の放散を促し、体内の熱輸送は主に血流によって行われます。
5.誤り。
選択肢5はd、eの組合せです。dは正しいですが、eが誤りです。放射エネルギーは絶対温度の4乗に比例します。
覚えるポイント
- 体内の熱輸送では、血流が重要です。
- 体表面の空気の対流は熱放散を促します。
- 体表面からの熱放射は、主に赤外線によります。
- 放射エネルギーは、絶対温度の4乗に比例します。
- 生体の熱移動は、熱伝導、対流、放射、血流を分けて考えます。