37PM35|第37回 臨床工学技士国家試験 過去問
植込み型心臓ペースメーカについて正しいのはどれか。 a.電源にはリチウムイオン電池が使用される。 b.VDD 型ペースメーカの電極リードは 2 本必要である。 c.DDD 型ペースメーカでは A-V ディレイの設定が必要である。 d.リードレスペースメーカは X 線透視下に留置する。 e.心臓再同期療法(CRT)では左心室用電極リードが必要である。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、植込み型心臓ペースメーカの種類、設定、留置方法、CRTが問われています。
正しい小項目は、c、d、eです。
- c.DDD型ではA-Vディレイの設定が必要です。
- d.リードレスペースメーカはX線透視下に留置します。
- e.CRTでは左心室用電極リードが必要です。
解説
植込み型心臓ペースメーカは、徐脈性不整脈などに対して心臓へ電気刺激を与え、適切な心拍を維持する装置です。
DDD型ペースメーカは、心房と心室の両方で感知と刺激を行います。心房興奮から心室刺激までの時間を調整するため、A-Vディレイの設定が必要です。A-Vディレイが不適切だと、心房収縮と心室収縮のタイミングがずれ、心拍出に影響します。
リードレスペースメーカは、従来のリードと本体を皮下に留置する方式とは異なり、小型の装置を心腔内へ直接留置します。カテーテルを用いてX線透視下に留置します。
心臓再同期療法、CRTは、心室内伝導障害などで左右心室の収縮タイミングがずれた心不全患者に対して、左右心室を同期させる治療です。右心系のリードに加え、左室を刺激するための左心室用電極リードが必要です。一般に冠静脈洞を介して左室側へリードを配置します。
一方、植込み型ペースメーカの電源は長期安定性の高いリチウム系一次電池が用いられます。「リチウムイオン電池」とする表現は不適切です。
また、VDD型ペースメーカは、心房を感知し、心室を感知・刺激する方式で、特殊な単一リードで心房感知と心室刺激を行うものがあります。そのため、電極リードが2本必要であるという記述は不適切です。
臨床工学技士としての注意点
ペースメーカ管理では、モード、閾値、感度、リードインピーダンス、電池状態、A-Vディレイ、自己脈との関係、電磁干渉を確認します。CRTでは左右心室の同期改善が目的です。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1はa、b、cの組合せです。cは正しいですが、aとbが不適切です。電源はリチウムイオン電池ではなくリチウム系一次電池が基本で、VDD型で電極リードが必ず2本必要とはいえません。
2.誤り。
選択肢2はa、b、eの組合せです。eは正しいですが、aとbが不適切です。
3.誤り。
選択肢3はa、d、eの組合せです。dとeは正しいですが、aが不適切です。
4.誤り。
選択肢4はb、c、dの組合せです。cとdは正しいですが、bが不適切です。VDD型は1本のリードで運用される形式があります。
5.正しい。
選択肢5はc、d、eの組合せです。DDD型ではA-Vディレイ設定が必要で、リードレスペースメーカはX線透視下に留置し、CRTでは左心室用電極リードが必要です。
覚えるポイント
- DDD型ではA-Vディレイが重要です。
- リードレスペースメーカはX線透視下に留置します。
- CRTでは左心室用電極リードが必要です。
- 植込み型ペースメーカの電源は、長寿命のリチウム系一次電池として整理します。
- VDD型は、心房感知と心室刺激を行う特殊リードを用いることがあります。