37PM70第37回 臨床工学技士国家試験 過去問

体外循環・補助循環人工心肺ローラ/遠心ポンプ・心筋保護・臓器循環・人工肺

人工心肺を用いた開心術中の心筋保護について正しいのはどれか。 a.細胞内液型心筋保護液のナトリウム濃度は細胞外液型よりも低い。 b.高カルシウム液で心停止を得る。 c.心筋保護液に血液を混ぜる場合には超低温がよい。 d.僧帽弁手術では選択的冠灌流が必要である。 e.逆行性冠灌流の場合には冠静脈洞から注入する。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、人工心肺を用いた開心術中の心筋保護法が問われています。

正しい小項目は、aとeです。

  • a.細胞内液型心筋保護液のナトリウム濃度は細胞外液型よりも低い。
  • e.逆行性冠灌流の場合には冠静脈洞から注入する。

解説

開心術では、大動脈を遮断して心停止下に手術を行うことがあります。この間、心筋への酸素供給が低下するため、心筋障害を防ぐ目的で心筋保護液を投与します。

心筋保護液には、細胞外液型と細胞内液型があります。

細胞外液型心筋保護液は、細胞外液に近い組成をもち、ナトリウム濃度が比較的高いのが特徴です。

一方、細胞内液型心筋保護液は、細胞内液に近い組成を意識したもので、ナトリウム濃度は細胞外液型より低くなります。したがって、aは正しいです。

心停止を得るには、一般に高カリウム液を用います。高カルシウム液ではありません。カルシウム過負荷は心筋障害に関係するため注意が必要です。

血液を混ぜた血液心筋保護液では、酸素運搬能や緩衝能などの利点がありますが、超低温がよいと単純にはいえません。血液の粘度上昇や酸素解離なども考慮します。

僧帽弁手術で常に選択的冠灌流が必要というわけではありません。心筋保護液の投与法は術式、冠動脈病変、大動脈弁閉鎖不全の有無などで選択されます。

逆行性冠灌流では、冠静脈洞から心筋保護液を注入します。冠静脈系を介して心筋へ心筋保護液を行き渡らせる方法です。

臨床工学技士としての注意点
心筋保護では、投与経路、温度、組成、投与量、投与間隔、注入圧、心停止状態、心筋温を確認します。心筋保護不良は術後心機能低下につながるため重要です。

選択肢の確認

1.誤り。
選択肢1はa、bの組合せです。aは正しいですが、bが誤りです。心停止には高カルシウム液ではなく、主に高カリウム液を用います。

2.正しい。
選択肢2はa、eの組合せです。細胞内液型心筋保護液は細胞外液型よりナトリウム濃度が低く、逆行性冠灌流では冠静脈洞から注入します。

3.誤り。
選択肢3はb、cの組合せです。どちらも不適切です。高カルシウム液で心停止を得るわけではなく、血液心筋保護液で超低温がよいと単純にはいえません。

4.誤り。
選択肢4はc、dの組合せです。どちらも不適切です。血液心筋保護液に超低温がよいとは限らず、僧帽弁手術で常に選択的冠灌流が必要というわけでもありません。

5.誤り。
選択肢5はd、eの組合せです。eは正しいですが、dが不適切です。僧帽弁手術で必ず選択的冠灌流が必要とは限りません。

覚えるポイント

  • 心筋保護液は、心停止中の心筋障害を防ぐために用います。
  • 細胞内液型心筋保護液は、細胞外液型よりナトリウム濃度が低いです。
  • 心停止には主に高カリウム液を用います。
  • 逆行性冠灌流は冠静脈洞から注入します。
  • 心筋保護では、温度、組成、投与経路、注入圧を確認します。

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