39AM44第39回 臨床工学技士国家試験 過去問

医療安全・公衆衛生臨床工学技士法・機器管理業務範囲・医師の指示・保守点検・信頼性

人工呼吸器のテスト肺を用いた点検について誤っているのはどれか。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

この問題では、人工呼吸器のテスト肺を用いた点検で確認できる項目と、確認しにくい項目の区別が問われています。

テスト肺は、患者の肺の代わりとして人工呼吸器に接続し、換気動作、アラーム、モニタ表示、換気モードなどを確認するために使います。

一方、呼吸回路コンプライアンスは、呼吸回路自体の膨らみやすさに関する特性です。これはテスト肺を用いた通常の動作確認だけで評価する項目ではありません。

解説

人工呼吸器の点検では、患者に接続する前に、装置が設定どおりに換気できるかを確認します。

テスト肺を接続すると、人工呼吸器が吸気を送ったときにテスト肺が膨らみ、呼気時に戻るため、患者に装着する前の模擬的な確認ができます。

テスト肺で確認しやすい項目は、次のようなものです。

  • 設定した換気モードで動作するか
  • 一回換気量、気道内圧、換気回数などのモニタ表示が妥当か
  • 高圧、低圧、無呼吸、回路外れなどのアラーム機能が作動するか
  • 人工呼吸器が一定の換気を行えるかという換気能力

一方、呼吸回路コンプライアンスは、呼吸回路内に圧がかかったときに回路が膨らみ、その分だけ送気量が回路内に失われる性質です。

これは、テスト肺の膨らみやすさと混ざってしまうため、テスト肺を接続した通常の点検で直接確認するものではありません。呼吸回路コンプライアンスの確認や補正は、人工呼吸器のセルフテスト、回路チェック、専用の測定手順などで行います。

ひっかけポイント
テスト肺で確認する項目と、呼吸回路そのものの特性を測定する項目を分けて考えます。

テスト肺は「人工呼吸器が患者に換気する動作」を模擬する道具であり、呼吸回路コンプライアンスを直接測る道具ではありません。

臨床工学技士としての注意点
人工呼吸器の始業点検では、装置の作動、換気状態、アラーム、電源、酸素供給、呼吸回路接続、加温加湿器、フィルタなどを総合的に確認します。テスト肺で問題がなくても、患者接続前には回路接続やアラーム設定を再確認することが重要です。

選択肢の確認

1.正答。記述としては誤り。
呼吸回路コンプライアンスは、呼吸回路自体の膨らみやすさに関する特性です。テスト肺を用いた通常の点検では、テスト肺のコンプライアンスや抵抗の影響を受けるため、呼吸回路コンプライアンスを直接確認する項目としては不適切です。

2.記述としては正しい。
テスト肺を用いることで、高圧アラーム、低圧アラーム、回路外れアラーム、無呼吸アラームなどの作動を確認できます。アラーム機能の確認は、患者安全に直結する重要な点検項目です。

3.記述としては正しい。
テスト肺を接続して換気を行うと、一回換気量、気道内圧、換気回数、分時換気量などのモニタ表示を確認できます。設定値と表示値が大きくずれていないかを確認します。

4.記述としては正しい。
テスト肺を用いることで、量規定換気、圧規定換気、補助換気など、設定した換気モードで人工呼吸器が動作するかを確認できます。換気モードの確認は、患者接続前の基本的な点検です。

5.記述としては正しい。
テスト肺に対して適切に送気できるか、設定した換気量や圧が得られるかを確認することで、人工呼吸器の換気能力を評価できます。

この問題では「誤っているもの」を選ぶため、記述として誤っている1が正答です。

覚えるポイント

  • テスト肺は、患者の肺を模擬して人工呼吸器の動作を確認する器具である。
  • テスト肺では、アラーム機能、モニタ機能、換気モード、換気能力を確認できる。
  • 呼吸回路コンプライアンスは、呼吸回路自体の膨らみやすさに関する特性である。
  • 呼吸回路コンプライアンスの確認や補正は、通常、人工呼吸器のセルフテストや回路チェックで行う。
  • 「テスト肺のコンプライアンス」と「呼吸回路コンプライアンス」を混同しない。

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