39AM75第39回 臨床工学技士国家試験 過去問

病理・臨床医学腎・消化器・血液疾患腎不全・透析原疾患・肝炎/肝硬変・貧血

血液透析療法の治療目的はどれか。 a.小分子量尿毒素の除去 b.アシドーシスの是正 c.電解質異常の是正 d.活性酸素の除去 e.貧血の是正

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正解: 1

正答

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この問題のポイント

この問題では、血液透析療法の治療目的が問われています。

血液透析の基本目的は、腎機能が低下した患者で、腎臓が担っていた機能の一部を代行することです。

主な目的は次のとおりです。

  • 小分子量尿毒素の除去
  • 余分な水分の除去
  • 電解質異常の是正
  • アシドーシスの是正

この問題の小項目では、a、b、c が血液透析療法の治療目的です。

解説

血液透析では、患者の血液を体外へ取り出し、ダイアライザを通して透析液と半透膜を介して接触させます。

主な物質移動は、次の原理で説明できます。

  • 拡散:尿素、クレアチニン、カリウムなどの濃度差による移動
  • 限外濾過:圧力差による水分除去
  • 透析液組成による補正:電解質や酸塩基平衡の調整

血液透析では、尿素やクレアチニンなどの小分子量尿毒素を除去します。

また、腎不全では酸の排泄が低下し、代謝性アシドーシスを起こしやすくなります。透析液には重炭酸などの緩衝成分が含まれており、アシドーシスの是正に役立ちます。

さらに、カリウム、ナトリウム、カルシウム、リンなどの電解質異常も、透析により調整します。

一方、活性酸素の除去は血液透析療法の主目的ではありません。

また、腎不全患者では腎性貧血が問題になりますが、これは主にエリスロポエチン産生低下や鉄代謝異常などが関係します。血液透析そのものが貧血を直接是正するわけではなく、赤血球造血刺激因子製剤や鉄補充などで治療します。

ひっかけポイント
血液透析は「腎臓のすべての機能」を完全に代行する治療ではありません。

尿毒素、水分、電解質、酸塩基平衡の管理が中心です。

貧血の是正は透析そのものの主目的ではなく、薬物療法などで行います。

臨床工学技士としての注意点
透析中は、血液流量、透析液流量、透析液濃度、除水量、静脈圧、TMP、抗凝固、漏血、気泡、血圧低下、穿刺部状態を確認します。

小項目の確認

a.正しい。
血液透析では、尿素、クレアチニンなどの小分子量尿毒素を拡散により除去します。これは血液透析の代表的な目的です。

b.正しい。
腎不全では酸の排泄低下により代謝性アシドーシスが起こりやすくなります。血液透析では透析液を介して酸塩基平衡を調整し、アシドーシスを是正します。

c.正しい。
血液透析では、カリウム、ナトリウム、カルシウム、リンなどの電解質異常を透析液との濃度差により調整します。特に高カリウム血症の是正は重要です。

d.誤り。
活性酸素の除去は、血液透析療法の主たる治療目的ではありません。透析膜や血液接触による酸化ストレスが問題になることもあります。

e.誤り。
貧血は慢性腎不全で重要な合併症ですが、血液透析そのものの主目的ではありません。腎性貧血は、主にエリスロポエチン製剤や鉄補充などで治療します。

選択肢の確認

1.正しい。
選択肢1は a、b、c の組合せです。小分子量尿毒素の除去、アシドーシスの是正、電解質異常の是正はいずれも血液透析療法の治療目的です。

2.誤り。
選択肢2は a、b、e の組合せです。aとbは正しいですが、eの貧血の是正は血液透析そのものの主目的ではありません。

3.誤り。
選択肢3は a、d、e の組合せです。aは正しいですが、dの活性酸素の除去とeの貧血の是正は、血液透析療法の主目的としては不適切です。

4.誤り。
選択肢4は b、c、d の組合せです。bとcは正しいですが、dの活性酸素の除去は血液透析の主目的ではありません。

5.誤り。
選択肢5は c、d、e の組合せです。cは正しいですが、dとeは血液透析療法の主目的ではありません。

覚えるポイント

  • 血液透析の主目的は、尿毒素除去、水分除去、電解質補正、酸塩基平衡の是正である。
  • 小分子量尿毒素は、主に拡散で除去される。
  • 余分な水分は、主に限外濾過で除去される。
  • 代謝性アシドーシスは、透析液を介して是正される。
  • 腎性貧血は重要な合併症だが、透析そのものではなく薬物療法などで治療する。
  • この問題では、正しい小項目は a、b、c である。

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