39AM78|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
透析液水質基準(2016 年、日本透析医学会)について正しいのはどれか。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、2016年版の透析液水質基準について、化学的汚染、生物学的汚染、残留塩素管理の基本が問われています。
特に重要なのは、残留塩素を遊離塩素だけでなく、クロラミンを含めた総塩素として測定する点です。
クロラミンは透析液中に混入すると、溶血などの重大な合併症につながるおそれがあります。
解説
血液透析では、透析液がダイアライザの半透膜を介して患者血液と接します。
そのため、透析液や透析用水の水質管理は、患者安全に直結します。
水質管理では、大きく次の2つを分けて考えます。
- 化学的汚染:塩素、クロラミン、硝酸塩、アルミニウム、重金属など
- 生物学的汚染:生菌、エンドトキシンなど
残留塩素については、遊離塩素だけでなく、結合塩素であるクロラミンも問題になります。
クロラミンは、原水中のアンモニア態窒素などと消毒用塩素が反応して生じることがあります。活性炭ろ過装置の処理能力を超えると、透析用水や透析液へ混入する危険があります。
そのため、2016年版の透析液水質基準では、残留塩素測定として総塩素、すなわち遊離塩素とクロラミンの合計を測定することが推奨されます。
ひっかけポイント
残留塩素という言葉だけを見ると、遊離塩素だけを測定すればよいと考えがちです。透析では、クロラミンによる溶血リスクが重要なため、総塩素測定を押さえます。
血液浄化療法での注意点
透析液水質管理では、RO装置、軟水装置、活性炭ろ過装置、ETRF、配管、透析液供給装置、末端透析液までを一連のシステムとして管理します。日常点検では、残留塩素、硬度、電気伝導率、エンドトキシン、生菌数などを目的に応じて確認します。
選択肢の確認
1.誤り。
硝酸塩や亜硝酸塩は、RO膜で阻止が困難な化学的汚染物質として注意が必要です。RO装置で常に十分に除去できると考えるのは不適切です。原水の水質や供給水源の情報確認も重要になります。
2.誤り。
透析液の生物学的汚染は、エンドトキシン濃度だけで判定するものではありません。エンドトキシン濃度と生菌数の両方を用いて清浄度を評価します。
3.誤り。
標準透析液は、オンライン血液透析濾過療法の置換液として使用するものではありません。オンラインHDFで体内に補充される置換液には、より高い清浄度が求められます。
4.誤り。
透析用水の化学的汚染に関する評価は、RO装置設置前に行うというより、供給水源の確認や、RO装置などの水処理システムを通した透析用水としての水質確認が重要です。RO装置設置前だけで完結する検査ではありません。
5.正しい。
残留塩素測定では、遊離塩素だけでなく、結合塩素であるクロラミンも含めた総塩素の測定が推奨されます。クロラミンは透析患者で溶血などを起こす危険があるため、総塩素として管理することが重要です。
覚えるポイント
- 透析液水質管理では、化学的汚染と生物学的汚染を分けて考える。
- 生物学的汚染は、エンドトキシン濃度と生菌数で評価する。
- 硝酸塩、亜硝酸塩はRO膜で阻止が困難な化学的汚染物質として注意する。
- オンラインHDFの置換液には、標準透析液より高い清浄度が必要である。
- 残留塩素測定では、総塩素、すなわち遊離塩素とクロラミンの合計を測定することが推奨される。
- クロラミン混入は溶血などの重大なリスクにつながるため、透析機器管理で重要である。