39AM82|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
ハーゲン・ポアズイユの式について正しいのはどれか。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、ハーゲン・ポアズイユの式の基本関係が問われています。
ハーゲン・ポアズイユの式は、細い円管内を流れる粘性流体の層流について、流量と圧力差、管半径、管路長、粘性係数の関係を表します。
最重要ポイントは、流量が管路半径の4乗に比例することです。
つまり、管半径が少し変わるだけでも、流量は大きく変化します。
解説
ハーゲン・ポアズイユの式は、次のように表されます。
- Q = π r^4 ΔP / (8 η L)
ここで、
- Q:流量
- r:管路半径
- ΔP:管路両端の圧力差
- η:粘性係数
- L:管路長
- π:円周率
です。
この式から、流量 Q は次の関係をもちます。
- 管路半径 r の4乗に比例する
- 圧力差 ΔP に比例する
- 粘性係数 η に反比例する
- 管路長 L に反比例する
特に重要なのは、半径 r が4乗で効くことです。
たとえば、半径が2倍になると、
- 2^4 = 16
なので、他の条件が同じなら流量は16倍になります。
逆に、半径が半分になると、
- (1 / 2)^4 = 1 / 16
となり、流量は16分の1になります。
これは、血管狭窄、カテーテル内径、輸液ライン、人工心肺回路、透析回路などを考えるうえで重要です。
ひっかけポイント
管路の「半径」と「直径」を混同しないようにします。ハーゲン・ポアズイユの式では、流量は半径の4乗に比例します。
また、成り立つ条件は層流であり、乱流ではありません。
臨床工学技士としての注意点
細いカテーテルや回路の狭窄、血栓、折れ曲がりは、流量低下や圧上昇の原因になります。半径が少し小さくなるだけでも流量が大きく低下するため、ラインの内径、閉塞、屈曲を確認することが重要です。
選択肢の確認
1.誤り。
ハーゲン・ポアズイユの式は、粘性をもつ流体の層流に対して成り立つ式です。粘性を考えない理想流体に対して成り立つ式ではありません。
2.誤り。
この式は、管路内の流れが層流の場合に成り立ちます。乱流では、流速分布や圧力損失の関係が異なるため、ハーゲン・ポアズイユの式をそのまま適用できません。
3.誤り。
流量は管路長さに比例するのではなく、管路長さに反比例します。管が長いほど流れにくくなり、流量は低下します。
4.誤り。
流量は管路両端の圧力差に反比例するのではなく、圧力差に比例します。圧力差が大きいほど、流量は増加します。
5.正しい。
ハーゲン・ポアズイユの式では、流量 Q は管路半径 r の4乗に比例します。したがって、半径の変化は流量に非常に大きく影響します。
覚えるポイント
- ハーゲン・ポアズイユの式は、円管内の粘性流体の層流に対して成り立つ。
- 基本式は Q = π r^4 ΔP / (8 η L) である。
- 流量 Q は、管路半径 r の4乗に比例する。
- 流量 Q は、圧力差 ΔP に比例する。
- 流量 Q は、粘性係数 η と管路長 L に反比例する。
- カテーテルや回路の内径低下は、流量を大きく低下させる。