39AM81第39回 臨床工学技士国家試験 過去問

医用基礎工学力学・材料力学力のモーメント・斜面運動・塑性変形・円運動

ポアソン比について誤っているのはどれか。

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正解: 5

正答

5

この問題のポイント

この問題では、ポアソン比の意味と、生体軟組織の力学的特徴が問われています。

ポアソン比は、材料を一方向に引っ張ったり圧縮したりしたときに、縦方向のひずみに対して横方向にどれだけ変形するかを表す値です。

重要なのは、生体軟組織は体積変化が小さく、ほぼ非圧縮性に近いという点です。

非圧縮性に近い材料では、ポアソン比は 0.5 に近い値をとります。

鉄鋼材料のポアソン比は一般に約0.3程度であるため、生体軟組織のポアソン比は鉄鋼材料より小さいのではなく、むしろ大きい傾向があります。

解説

ポアソン比は、材料に荷重を加えたときの縦ひずみ横ひずみの関係を表します。

引張荷重を加えると、材料は引っ張った方向に伸び、横方向には縮みます。

このとき、ポアソン比 ν は一般に次のように表されます。

  • ν = - 横ひずみ / 縦ひずみ

マイナスを付けるのは、引張方向の縦ひずみが正、横方向のひずみが負になるため、ポアソン比を正の値として扱うためです。

ポアソン比は材料の性質を示す値であり、材料によって異なります。

代表的には、

  • ゴムや生体軟組織:0.5に近い
  • 鉄鋼材料:およそ0.3程度
  • コルクなど:小さい値をとることがある

と整理できます。

生体軟組織は水分を多く含み、圧縮しても体積が大きく変わりにくい性質があります。そのため、ポアソン比は0.5に近く、鉄鋼材料よりも小さいとはいえません。

ひっかけポイント
「軟らかい材料だからポアソン比が小さい」と考えると誤りです。

ポアソン比は硬さそのものではなく、縦方向に変形したときの横方向変形の割合を表します。

生体軟組織は軟らかいですが、体積変化が小さいためポアソン比は大きくなりやすいです。

選択肢の確認

1.記述としては正しい。
ポアソン比は、縦ひずみに対する横ひずみの比を用いて表されます。符号を考慮して、一般に ν = - 横ひずみ / 縦ひずみ と表します。

2.記述としては正しい。
ポアソン比は、ヤング率などと同じく材料の力学的性質を示す値です。材料によって固有の値をもちます。

3.記述としては正しい。
荷重を加えても体積が変わらない、つまり非圧縮性材料とみなせる場合、ポアソン比は理想的には 0.5 になります。生体軟組織はこの値に近いことがあります。

4.記述としては正しい。
多くの生体組織では、引っ張ると横方向に縮むため、ポアソン比は正の値をとります。一般的な生体組織の変形を考えるうえで重要です。

5.正答。記述としては誤り。
生体軟組織は水分を多く含み、体積変化が小さいため、ポアソン比は0.5に近い値をとることがあります。鉄鋼材料のポアソン比は一般に約0.3程度であり、生体軟組織の方が小さいとはいえません。

この問題では「誤っているもの」を選ぶため、記述として誤っている5が正答です。

覚えるポイント

  • ポアソン比は、縦ひずみに対する横ひずみの比を用いて表す。
  • 一般に ν = - 横ひずみ / 縦ひずみ と表される。
  • ポアソン比は材料によって異なる。
  • 体積が変わらない非圧縮性材料では、ポアソン比は 0.5 となる。
  • 生体軟組織は非圧縮性に近く、ポアソン比は0.5に近い。
  • 生体軟組織のポアソン比は、鉄鋼材料より小さいとはいえない。

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