39AM85第39回 臨床工学技士国家試験 過去問

人体の構造と機能解剖生理筋・神経・泌尿器・消化器・内分泌

興奮性細胞について誤っているのはどれか。

解答・解説を見る

正解: 5

正答

5

この問題のポイント

この問題では、神経細胞や筋細胞などの興奮性細胞における膜電位変化が問われています。

重要なのは、次の流れです。

  • 静止膜電位では、細胞内は細胞外に対して負に保たれる
  • 脱分極では、Na⁺が細胞内へ流入する
  • 再分極では、K⁺が細胞外へ流出する
  • 過分極では、膜電位が静止膜電位よりさらに負になる
  • 閾膜電位は、静止膜電位より脱分極側にある

問題文は「誤っているのはどれか。」です。

閾膜電位は静止電位より低いのではなく、一般に静止電位より高い、つまり負の値が浅い電位です。

解説

興奮性細胞は、刺激によって膜電位が変化し、活動電位を発生できる細胞です。

代表例は次のとおりです。

  • 神経細胞
  • 骨格筋細胞
  • 心筋細胞
  • 平滑筋細胞

静止状態では、細胞内は細胞外に対して負の電位を持ちます。これは、Na⁺、K⁺、Cl⁻などのイオン分布と、細胞膜のイオン透過性によって決まります。

一般に、Na⁺濃度は細胞外で高く、K⁺濃度は細胞内で高くなっています。

活動電位では、まず電位依存性Na⁺チャネルが開き、Na⁺が細胞内へ流入します。その結果、膜電位は正方向へ変化します。これが脱分極です。

その後、電位依存性K⁺チャネルが開き、K⁺が細胞外へ流出します。膜電位は再び負の方向へ戻ります。これが再分極です。

K⁺チャネルがしばらく開いていると、膜電位が静止電位よりさらに負になることがあります。これを過分極といいます。

ひっかけポイント
膜電位では「高い」「低い」が負の値で表されるため混乱しやすいです。

例えば、-55 mV は -70 mV より数値として高い電位です。

閾膜電位は静止電位より脱分極側にあり、静止電位より低いわけではありません。

選択肢の確認

1.記述としては正しい。
静止状態では、Na⁺濃度は細胞内よりも細胞外で高くなっています。この濃度勾配により、Na⁺はチャネルが開くと細胞内へ流入しやすくなります。

2.記述としては正しい。
再分極では、主に電位依存性K⁺チャネルが開き、K⁺が細胞外へ流出します。その結果、膜電位は再び負の方向へ戻ります。

3.記述としては正しい。
脱分極では、電位依存性Na⁺チャネルが開き、Na⁺が細胞内へ流入します。これにより膜電位は急速に正方向へ変化します。

4.記述としては正しい。
過分極時の膜電位は、静止電位よりもさらに負になります。したがって、静止電位よりも低い電位と表現できます。

5.正答。記述としては誤り。
閾膜電位は、活動電位が発生するために必要な膜電位の境界です。静止電位よりも低いのではなく、静止電位より脱分極側にあります。例えば、静止電位が -70 mV、閾膜電位が -55 mV のように、閾膜電位は数値として高い電位になります。

この問題では「誤っているもの」を選ぶため、記述として誤っている5が正答です。

覚えるポイント

  • 興奮性細胞は、刺激により活動電位を発生できる細胞である。
  • 静止状態では、Na⁺濃度は細胞外で高い。
  • 脱分極では、Na⁺が細胞内へ流入する。
  • 再分極では、K⁺が細胞外へ流出する。
  • 過分極では、膜電位が静止電位よりさらに負になる。
  • 閾膜電位は、静止電位より脱分極側にある。

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