39AM89|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
セルロースによる補体活性化の要因はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、セルロース膜による補体活性化に関係する官能基が問われています。
セルロースは、古くから透析膜材料として用いられてきた天然高分子です。
しかし、未修飾セルロース膜では、膜表面の水酸基が補体系を活性化しやすいことが知られています。
したがって、補体活性化の要因として正しいのは水酸基です。
解説
血液が人工材料表面に接触すると、血漿タンパクや血球成分が材料表面と相互作用します。
透析膜では、血液が膜表面に長時間接触するため、材料の表面性状が生体反応に大きく影響します。
セルロース膜は、多数の水酸基をもつ高分子です。
この水酸基が血液と接触すると、補体系が活性化されやすくなります。補体活性化により、白血球の活性化、炎症反応、一過性の白血球減少などが問題になることがあります。
この問題の中心は、セルロース膜の生体適合性です。
セルロース膜の補体活性化を低減するために、水酸基を化学修飾した膜が開発されてきました。例えば、セルロースの水酸基をアセチル化したセルロースアセテート膜などでは、未修飾セルロースより補体活性化が軽減されます。
ひっかけポイント
「アセチル基」はセルロースを修飾して補体活性化を抑える側のキーワードです。補体活性化の要因として問われた場合は、未修飾セルロース表面の水酸基を選びます。
血液浄化療法での注意点
透析膜では、溶質除去性能だけでなく、生体適合性も重要です。補体活性化、血小板活性化、凝固、炎症反応、アレルギー様反応などを材料特性と結びつけて理解します。
選択肢の確認
1.誤り。
アセチル基は、セルロースをアセチル化したセルロースアセテートなどに関係します。水酸基を修飾することで補体活性化を抑える方向に働くため、セルロースによる補体活性化の主因としては不適切です。
2.正しい。
セルロース表面の水酸基は、補体活性化の要因となります。未修飾セルロース膜では、この水酸基により補体が活性化されやすく、生体適合性上の問題となります。
3.誤り。
メチル基は、セルロースによる補体活性化の主因ではありません。補体活性化で重要なのは、セルロース表面に多く存在する水酸基です。
4.誤り。
硫酸基は、ヘパリンなどの硫酸化多糖と関連して考えられる官能基ですが、セルロース膜による補体活性化の主因ではありません。
5.誤り。
カルボニル基は、セルロースの補体活性化の主要因として問われる官能基ではありません。国家試験では、セルロース膜と水酸基を対応させて覚えます。
覚えるポイント
- セルロースは、多数の水酸基をもつ天然高分子である。
- 未修飾セルロース膜では、水酸基により補体活性化が起こりやすい。
- 補体活性化は、炎症反応や白血球変動などに関係する。
- セルロースの水酸基を修飾すると、生体適合性が改善されることがある。
- セルロースによる補体活性化の要因は水酸基である。