39AM88|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
医用材料の安全性試験について誤っているのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、医用材料の安全性試験の考え方が問われています。
医用材料は、患者の血液、組織、体液、粘膜などに接触することがあるため、材料そのものの性質だけでなく、生体への影響を評価する必要があります。
ただし、安全性試験は、すべての製品を1個ずつ個別に評価するものではありません。
製品の設計、材料、製造工程、滅菌工程、ロット管理、代表サンプルによる試験などを組み合わせて安全性を確認します。
したがって、製品の全数を個々に評価するという記述が誤りです。
解説
医用材料の安全性評価では、材料が目的の用途に対して安全に使用できるかを確認します。
評価対象には、次のようなものがあります。
- 材料の機械的性質や耐久性
- 無菌性
- 発熱性、毒性、刺激性、感作性などの生物学的安全性
- 溶出物や残留物
- 滅菌方法や包装の妥当性
- 使用目的や体内接触時間に応じたリスク
物性試験では、強度、弾性、摩耗、耐久性、寸法安定性などを確認します。
無菌性の評価では、滅菌済み医療機器が微生物に汚染されていないことを確認します。
溶出物試験では、材料から溶け出す化学物質が生体に悪影響を及ぼさないかを評価します。
これらは医用材料の安全性評価として重要です。
一方で、製品を全数について個々に安全性試験することは、現実的ではありません。特に破壊試験や生物学的試験は、実施した製品そのものを臨床使用できなくなる場合もあります。
そのため、品質管理では、代表サンプル、ロット試験、工程管理、バリデーション、規格適合性などにより安全性を保証します。
ひっかけポイント
「安全性を厳密に確認する」ことと、「全製品を個々に試験する」ことは同じではありません。医用材料では、全数個別試験ではなく、試験計画、工程管理、品質保証によって安全性を担保します。
医療安全での注意点
医用材料を使用する際は、材質、滅菌状態、使用期限、包装破損、適応、禁忌、単回使用か再使用可能かを確認します。特に体内留置や血液接触を伴う材料では、生体適合性と無菌性が重要です。
選択肢の確認
1.記述としては正しい。
医用材料では、強度、弾性、耐久性、摩耗、変形などを確認する物性試験が行われます。材料が目的の医療用途に耐えられるかを確認する重要な試験です。
2.記述としては正しい。
滅菌済み医療材料では、無菌性の評価が重要です。微生物汚染があると感染の原因となるため、滅菌工程や包装状態を含めて管理します。
3.記述としては正しい。
医用材料から溶け出す化学物質は、生体に毒性、刺激性、感作性などを起こす可能性があります。そのため、溶出物試験は安全性評価として重要です。
4.正答。記述としては誤り。
医用材料の安全性試験では、製品の全数を個々に評価するわけではありません。代表サンプル、ロット管理、工程管理、滅菌バリデーション、品質保証などにより安全性を確認します。
5.記述としては正しい。
医用材料を含む医療機器は、医薬品医療機器等法などの関係法規に基づいて品質、有効性、安全性が管理されます。法規に則った評価や承認、認証、届出、製造販売管理が重要です。
この問題では「誤っているもの」を選ぶため、記述として誤っている4が正答です。
覚えるポイント
- 医用材料の安全性評価では、物性、無菌性、溶出物、生物学的安全性などを確認する。
- 材料の使用部位、接触時間、接触対象に応じて必要な試験が変わる。
- 安全性試験は、製品全数を個々に評価するものではない。
- 品質保証では、代表サンプル、ロット管理、工程管理、バリデーションが重要である。
- 医用材料は、医薬品医療機器等法などの法規に基づいて管理される。