39PM15|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
71 歳女性。入院中に中心静脈カテーテルを一時的に留置されていた。退院 1 週間後から微熱が続いている。身体所見では心雑音を聴取した。心エコー図では僧帽弁に可動性のある直径 10 mm の塊(疣贅)を認め、血液培養で黄色ブドウ球菌が検出された。 最も考えられる疾患はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、感染性心内膜炎を疑う臨床所見を読み取れるかが問われています。
キーワードは、中心静脈カテーテル留置歴、微熱、心雑音、弁の疣贅、血液培養で黄色ブドウ球菌検出です。
解説
感染性心内膜炎は、心内膜、特に心臓弁に細菌などが感染して疣贅を形成する疾患です。
疣贅は、細菌、血小板、フィブリンなどからなる塊です。弁に付着すると弁破壊や逆流を起こし、心雑音が出現することがあります。また、疣贅が飛散すると塞栓症を起こすこともあります。
この症例では、中心静脈カテーテル留置歴があります。血管内カテーテルは菌血症の原因となることがあり、特に黄色ブドウ球菌は感染性心内膜炎の重要な原因菌です。
さらに、心エコー図で僧帽弁に可動性のある塊、つまり疣贅を認め、血液培養で黄色ブドウ球菌が検出されています。これらは感染性心内膜炎を強く示唆します。
臨床工学技士としての注意点
血管内カテーテル、人工弁、補助循環回路、血液浄化回路などは感染リスクと関係します。清潔操作、カテーテル管理、発熱時の観察、血液培養の重要性を理解しておくことが大切です。
選択肢の確認
1.誤り。
リウマチ熱は、A群溶血性レンサ球菌感染後に起こる免疫反応で、弁膜症の原因になります。ただし、本症例のように血液培養で黄色ブドウ球菌が検出され、弁に疣贅を認める病態としては感染性心内膜炎が最も考えられます。
2.誤り。
特発性心筋炎では、心筋の炎症により心不全症状や不整脈などを来すことがあります。弁に疣贅を形成し、血液培養で黄色ブドウ球菌が検出される所見とは合いません。
3.誤り。
収縮性心膜炎は、心膜が肥厚・硬化して心臓の拡張が障害される疾患です。疣贅や菌血症を主体とする病態ではありません。
4.正しい。
感染性心内膜炎では、発熱、心雑音、血液培養陽性、心エコーでの疣贅が重要です。本症例では黄色ブドウ球菌が検出され、僧帽弁に可動性のある疣贅を認めているため、最も考えられます。
5.誤り。
顕微鏡的多発血管炎は小型血管炎の一種で、腎障害や肺胞出血などが問題になります。本症例の弁疣贅と黄色ブドウ球菌菌血症を説明する疾患としては不適切です。
覚えるポイント
- 感染性心内膜炎の重要所見は、発熱、心雑音、血液培養陽性、心エコーでの疣贅です。
- 黄色ブドウ球菌は感染性心内膜炎の重要な原因菌です。
- 中心静脈カテーテルなどの血管内デバイスは菌血症のリスクになります。
- 弁に形成された疣贅は、弁破壊や塞栓症の原因になります。
- 医療機器やカテーテル管理では、感染予防と早期発見が重要です。