68AM052|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問
病理組織学的検査で推奨される固定液はどれか。
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正解: 3
正答
3(10%中性緩衝ホルマリン液)
この問題のポイント
日常の病理組織検査で形態と抗原性を安定して保存する標準固定液を選ぶ問題です。
解説
病理組織の固定は、採取後に進む自己融解や腐敗を止め、蛋白質を安定化して生体内に近い形態を保つ操作です。日常検査で標準的に推奨されるのは10%中性緩衝ホルマリン液です。「10%」は市販の濃ホルマリンを約10倍に希釈した濃度を指し、実際のホルムアルデヒド濃度はおよそ3.7〜4%です。ホルムアルデヒドは蛋白質間にメチレン架橋を作って組織を固定します。リン酸緩衝液などでpHを中性域に保つことで、酸性化によるホルマリン色素の生成や核酸・組織成分の障害を抑え、ヘマトキシリン・エオジン染色や免疫組織化学へつなげやすくなります。固定液の種類だけでなく、組織を薄く切り出して十分量の固定液へ速やかに入れることも、中心部の固定不良を避けるうえで重要です。
選択肢の確認
1.誤り。単に中性化したホルマリンでは固定中のpHを安定して維持しにくく、日常病理では緩衝された製剤が推奨されます。
2.誤り。等張性は浸透圧による変形を減らす条件ですが、酸性化を防ぐ緩衝能を意味せず、標準固定液の名称ではありません。
3.正しい。10%中性緩衝ホルマリン液は、通常の光学顕微鏡用病理組織に広く用いられる標準固定液です。
4.誤り。2%グルタルアルデヒド液は微細構造の保存に優れ、主に電子顕微鏡用の前固定に用いますが、浸透が遅く日常組織全般の標準ではありません。
5.誤り。4%パラホルムアルデヒド液は研究、免疫組織化学、神経組織などで利用されますが、通常の病理組織検査で第一選択となる標準液ではありません。
覚えるポイント
- 日常病理の標準は10%中性緩衝ホルマリン液です。
- 10%ホルマリン中のホルムアルデヒドは約4%です。
- 電子顕微鏡の前固定にはグルタルアルデヒドを用います。
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