68PM051|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問

癌抑制遺伝子はどれか。

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正解: 2

正答

2(BRCA1)

この問題のポイント

細胞増殖を促す癌原遺伝子と、DNA修復や細胞周期停止によって発癌を防ぐ癌抑制遺伝子を区別する問題です。

解説

正常細胞には増殖シグナルを伝える原癌遺伝子と、異常増殖を抑える癌抑制遺伝子があります。BRCA1はデオキシリボ核酸〈DNA〉二本鎖切断を正確に直す相同組換え修復、細胞周期チェックポイントなどに関与する癌抑制遺伝子です。生殖細胞系列にBRCA1の病的バリアントをもつ人では、体細胞でもう一方の正常アレルが失活すると修復機能が大きく低下し、ゲノム不安定性が増して乳癌・卵巣癌などの発症リスクが高くなります。これが遺伝性乳癌卵巣癌症候群〈HBOC〉の代表的機序です。癌抑制遺伝子は細胞レベルでは両アレルの機能喪失が発癌につながる「二段階説」で考えるのが基本です。一方、BRAF、ERBB2、KIT、KRASは、活性化変異や遺伝子増幅によって増殖シグナルが過剰になる癌原遺伝子側です。

選択肢の確認

1.誤り。BRAFはRAS-RAF-MEK-ERK経路のセリン・スレオニンキナーゼをコードする原癌遺伝子で、V600Eなどの活性化変異が発癌を促します。
2.正しい。BRCA1は相同組換えによるDNA二本鎖切断修復などを担う癌抑制遺伝子です。
3.誤り。公式問題のERBB2〈HER2〉は受容体型チロシンキナーゼをコードする原癌遺伝子で、遺伝子増幅・過剰発現が乳癌などの増殖を促します。
4.誤り。KITは幹細胞因子受容体である受容体型チロシンキナーゼをコードし、活性化変異は消化管間質腫瘍などに関連します。
5.誤り。KRASは増殖シグナルを伝える低分子量GTP結合蛋白をコードする原癌遺伝子で、活性化変異が大腸癌・膵癌などでみられます。

覚えるポイント

  • BRCA1・BRCA2は相同組換え修復に関わる癌抑制遺伝子です。
  • 癌抑制遺伝子は機能喪失、原癌遺伝子は機能獲得で発癌に傾きます。
  • ERBB2、BRAF、KIT、KRASは増殖シグナルを促す原癌遺伝子側です。

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