68PM076|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問

スライド培養の顕微鏡写真を別に示す。大分生子を矢印で示す。 考えられるのはどれか。

68PM076の問題画像
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正解: 5

正答

5(Trichophyton rubrum)

この問題のポイント

スライド培養で保たれた分生子の配列と、大分生子の形・壁・隔壁から皮膚糸状菌を同定する問題です。

解説

画像を実見すると、透明な隔壁菌糸が広がり、その周囲に小型の楕円形〜涙滴状分生子が多数付着しています。黄色い矢印の先には、壁が平滑で細長い鉛筆状、内部に複数の隔壁をもつ大分生子が1個みえます。この組合せはTrichophyton rubrum(紅色白癬菌)に合致します。スライド培養は菌糸・分生子の配列を崩さずに観察できるため、皮膚糸状菌や糸状菌の形態同定に有用です。T. rubrumでは大分生子は多くないものの、形成される場合は薄壁で細長い鉛筆状を示し、小分生子は菌糸側壁に沿ってみられます。菌種名だけでなく、Microsporumは粗い紡錘形大分生子、Epidermophytonは棍棒状大分生子で小分生子なし、という属ごとの比較が鑑別の軸です。

選択肢の確認

1.誤り。Aspergillus fumigatusでは分生子柄の先端に頂囊があり、その上にフィアライドと分生子が並ぶ分生子頭を形成します。画像の皮膚糸状菌型の像とは異なります。
2.誤り。Epidermophyton floccosumの大分生子は平滑で棍棒状、房状に集まり、小分生子を形成しません。画像には小分生子が多数あります。
3.誤り。Microsporum canisは厚く粗い壁をもつ大型の紡錘形大分生子を多数形成し、先端がやや曲がることがあります。矢印の薄壁鉛筆状とは異なります。
4.誤り。Sporothrix schenckiiの菌糸形では、小分生子が分生子柄の先に花弁状・ロゼット状に配列します。矢印で示された多隔壁大分生子とは一致しません。
5.正しい。薄壁で平滑な鉛筆状大分生子と、菌糸に沿う多数の小分生子はT. rubrumを支持します。

覚えるポイント

  • Trichophyton=小分生子が目立ち、大分生子は鉛筆状。
  • Microsporum=粗壁・紡錘形大分生子、Epidermophyton=棍棒状大分生子・小分生子なし。
  • スライド培養は菌糸と分生子の配列を保って観察する。

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