69AM039|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問
MALDI‑TOF‑MS による物質測定で正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4(イオン化はレーザーのパルス照射により行う)
この問題のポイント
マトリックス支援レーザー脱離イオン化法と飛行時間分析の役割を分け、イオンの速さが質量電荷比で決まることを理解する問題です。
解説
マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法〈MALDI-TOF-MS〉では、試料をレーザー光を吸収する低分子マトリックスと混ぜて結晶化し、短いレーザーパルスを照射します。マトリックスがエネルギーを受けて試料を気相へ脱離させ、同時にプロトン移動などでイオン化します。生成イオンは真空中で同じ電位差により加速され、飛行管を通って検出器へ到達します。得る運動エネルギーは電荷に比例するため、飛行時間は質量mだけでなく電荷zとの比である質量電荷比m/zに依存し、m/zが小さいイオンほど速く到達します。微生物同定では菌体蛋白の質量スペクトルをデータベースと照合します。タンデム質量分析〈MS/MS〉では第一の質量分析部で前駆体イオンを選択し、衝突などで断片化してから第二の質量分析部で生成物イオンを分析するため、分析部は並列ではなく直列に働きます。
選択肢の確認
1.誤り。同じ電荷と加速電圧なら分子量、より正確にはm/zが大きいイオンほど速度が遅く、検出器への到着は遅くなります。
2.誤り。イオンが得る加速エネルギーは電荷数zに依存し、飛行時間はm/zで決まるため、電荷の影響を受けます。
3.誤り。空気分子との衝突はイオンの飛行を乱して感度と分解能を低下させるので、飛行管内は大気圧ではなく高真空に保ちます。
4.正しい。MALDIではマトリックスと試料へレーザーパルスを照射し、脱離と軟らかなイオン化を起こします。
5.誤り。タンデム質量分析では質量選択、断片化、生成物イオン分析を順に行うため、二つの質量分析部は直列に配置されます。
覚えるポイント
- MALDIはマトリックスへレーザーパルスを照射して脱離・イオン化する。
- TOFでは真空中を飛ぶイオンの到達時間からm/zを求める。
- MS/MSは前駆体選択と断片分析を直列に行う。
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