113A063|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

75歳の女性。左側舌縁部の腫瘤を主訴として来院した。3か月前に気付いたが、大きさに変化がないのでそのままにしていたという。腫瘤は無痛性で弾性軟である。初診時の口腔内写真(別冊No. 19A)とMRI(別冊No. 19B)を別に示す。 まず行うべき対応はどれか。1つ選べ。

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正解: a

正答

a

この問題のポイント

高齢者の舌に持続する腫瘤がある場合、無痛で大きさが不変でも、治療前に組織診断を得ることを優先します。

解説

3か月持続する舌縁部腫瘤で、MRIでは脂肪と同じ信号特性を示すため脂肪腫が強く疑われます。ただし、臨床所見と画像だけで組織型や良悪性を最終確定することはできません。まず病変から組織を採取する生検を行い、病理組織学的診断に基づいて治療法と切除範囲を決めます。擦過細胞診は表面上皮の細胞採取には向きますが、粘膜下腫瘤では十分な診断材料が得にくい方法です。

画像の確認

実画像では、左側舌縁から舌下面にかけて、やや黄色調を帯びた表面平滑な粘膜下膨隆があり、潰瘍はありません。MRIでは境界明瞭な病変がT1強調像で皮下脂肪と同様の高信号を示し、脂肪抑制T1強調像で信号が低下しています。この信号変化は脂肪性病変を強く支持しますが、最終診断には生検による組織確認が必要です。

選択肢の確認

a.生検
正しい。腫瘤の組織型と良悪性を確定し、適切な治療方針を立てます。

b.切開
誤り。膿瘍を示す発赤、波動、自発痛などがなく、診断なしに切開する適応ではありません。

c.抗菌薬投与
誤り。感染徴候に乏しく、3か月持続する腫瘤を抗菌薬で治療しません。

d.擦過細胞診
誤り。表面が正常な粘膜下病変では深部の代表細胞を採取しにくく、組織構築も評価できません。

e.舌部分切除
誤り。診断と必要切除範囲を確定する前に根治的切除を行うべきではありません。

覚えるポイント

持続する舌腫瘤は、良性らしく見えても組織診断を先行します。表在性病変は細胞診も使えますが、粘膜下腫瘤は生検が基本です。

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