113A064|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

咬み合わせの異常を訴える患者に行った手術時の写真(別冊No. 20)を別に示す。 術中損傷によって、上顎骨の壊死を起こす危険性があるのはどれか。1つ選べ。

113A064の問題画像
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正解: e

正答

e

この問題のポイント

写真はLe Fort I型骨切り術で上顎をdown fractureした術野です。骨切り後も上顎への血流を支える主要血管を守ります。

解説

Le Fort I型骨切り術では上顎骨を鼻腔側壁・上顎洞壁・翼突上顎部などで分離し、移動させます。下行口蓋動脈は翼口蓋窩から大口蓋管を下降し、大口蓋動脈などとなって口蓋と上顎へ血流を供給します。骨切り・down fracture時に両側を損傷し、さらに口蓋粘膜骨膜弁の血流も障害すると、上顎骨の虚血・壊死リスクが高まります。

画像の確認

実画像では、上顎歯列を含む骨片がLe Fort Iレベルで可動化され、鼻腔底・上顎洞後方へ直接到達できる術野が示されています。後方の翼口蓋部近くを走る下行口蓋動脈は、骨片への血流維持に直結するため温存が重要です。

選択肢の確認

a.頰動脈
誤り。頰筋・頰粘膜を主に栄養し、可動化された上顎骨の主要血流路ではありません。

b.顔面動脈
誤り。顔面軟組織へ広く分布しますが、Le Fort I骨片壊死に直結する術野内主要血管ではありません。

c.眼窩下動脈
誤り。眼窩下管を通り中顔面前方へ分布しますが、本術式で最も問題となる口蓋側血行ではありません。

d.浅側頭動脈
誤り。耳前部から頭皮へ走る外頸動脈終枝で、上顎骨片の栄養血管ではありません。

e.下行口蓋動脈
正しい。上顎後方から口蓋へ入り、骨切り後の上顎骨片への血流維持に重要です。

覚えるポイント

Le Fort Iで守る血管は下行口蓋動脈。上顎後方の骨切りとdown fracture時に位置を意識します。

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