113A068|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

42歳の男性。右側顎下部の腫脹を主訴として来院した。3年前から食事時に腫脹と疼痛を繰り返しているという。検査の結果、口腔外から手術を行うこととした。初診時の顔貌写真(別冊No. 24A)、エックス線画像(別冊No. 24B)及びCT(別冊No. 24C)を別に示す。 手術の前に患者に説明すべき術後合併症はどれか。2つ選べ。

113A068の問題画像
2つ選択
解答・解説を見る

正解: a・c

正答

a、c

この問題のポイント

顎下部の口腔外手術では、皮切付近の顔面神経下顎縁枝と、顎下腺・導管上方を走る舌神経の障害を説明します。

解説

反復する食事時の顎下部腫脹・疼痛と石灰化物から顎下腺唾石症が考えられ、口腔外から顎下腺・深部唾石へ到達する手術です。下顎下縁付近を走る顔面神経下顎縁枝を損傷すると口角下制筋群が麻痺して下唇の動きが悪くなります。舌神経を損傷すると同側舌前方2/3の一般知覚が低下します。

画像の確認

実画像では、右側顎下部に腫脹があり、パノラマ像で下顎角下方、CTで顎下腺領域に境界明瞭な高吸収性の唾石を認めます。口腔外からこの領域へ進入するため、皮切近傍の下顎縁枝と腺・導管に接する舌神経が術野上の重要構造です。

選択肢の確認

a.「下唇の動きが悪くなることがあります」
正しい。顔面神経下顎縁枝の損傷で、下唇下制や口角運動に左右差が生じます。

b.「下唇の感覚が鈍くなることがあります」
誤り。下唇知覚は下歯槽神経の終枝であるオトガイ神経が担い、この術野の主要リスクではありません。

c.「舌の右半分がしびれることがあります」
正しい。右舌神経の損傷で、同側舌前方部の一般知覚障害が生じ得ます。

d.「耳たぶの感覚が鈍くなることがあります」
誤り。耳垂知覚は主に大耳介神経で、より後方・浅層を走ります。

e.「舌をまっすぐ前に出せなくなることがあります」
誤り。舌偏位は舌下神経障害で生じますが、本問の唾石到達部で説明すべき主要合併症ではありません。

覚えるポイント

顎下部手術の代表リスクは、下顎縁枝=下唇の運動、舌神経=舌の知覚。運動障害と感覚障害を分けます。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。

関連問題

← 113A067113A069 →
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)