113B047|第113回 歯科医師国家試験 過去問
61歳の女性。顔面の非対称を主訴として来院した。数日前から食事時に口角から食物が漏れるようになったという。聴覚検査で高音域の閾値の低下が認められた。初診時の閉眼時の写真(別冊No. 7A)、口笛吹き時の写真(別冊No. 7B)及び耳介部の写真(別冊No. 7C)を別に示す。 この患者が随伴しやすいのはどれか。2つ選べ。

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正解: b・d
正答
b、d
この問題のポイント
閉眼不能、口笛が吹けない、耳介部の疱疹、高音域聴力障害から、膝神経節付近を含む末梢性顔面神経障害を考えます。顔面神経の枝が担う味覚と唾液分泌も障害され得ます。
解説
顔面神経は表情筋運動だけでなく、鼓索神経を介する舌前方3分の2の味覚、顎下腺・舌下腺への副交感性分泌を担います。膝神経節の水痘・帯状疱疹ウイルス再活性によるRamsay Hunt症候群では、耳介・外耳道の疱疹、末梢性顔面神経麻痺に加え、味覚障害や唾液分泌低下を伴い得ます。第VIII脳神経が影響されると聴覚症状も生じます。
一方、眼球運動、舌運動、顔面知覚は、それぞれ別の脳神経が主体です。脳神経の機能分担を用いて選択肢を絞ります。
画像の確認
実画像では、厚生労働省が現在公開している公式別冊の閉眼時写真Aの領域が黒一色に加工されており、Aから眼裂の所見を読み取ることはできません。実際に確認できる写真Bでは口笛動作時に口角の左右差と患側の口唇閉鎖不全があり、写真Cでは耳介・外耳道入口部に発赤を伴う小病変がみられ、病歴と合わせて末梢性顔面神経障害を支持します。
選択肢の確認
a.複視
誤り。複視は主に動眼神経、滑車神経、外転神経などの眼球運動障害で生じ、顔面神経の主要機能ではありません。
b.味覚異常
正しい。鼓索神経が舌前方3分の2の味覚を伝えるため、障害され得ます。
c.舌運動障害
誤り。舌筋の運動は主に舌下神経が支配します。
d.唾液分泌障害
正しい。鼓索神経を通る副交感線維が顎下腺・舌下腺の分泌を調節するため、障害され得ます。
e.頬部の知覚鈍麻
誤り。頬部を含む顔面知覚は主に三叉神経が担います。
覚えるポイント
- 顔面神経は表情筋・舌前方2/3の味覚・涙液/唾液分泌に関与します。
- 耳介疱疹+末梢性顔面神経麻痺はRamsay Hunt症候群を示唆します。
- 公開画像で確認できない所見を推測せず、見えるB・Cと臨床情報から判断します。
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